HGF遺伝子治療用製品「コラテジェン」 米国でのP2試験好結果を論文発表アンジェス

 アンジェスは5日、HGF遺伝子治療用製品「コラテジェン」について、米国で実施したP2試験の良好な結果を論文発表したことを明らかにした。
 同試験は、軽度から中等度の下肢潰瘍を有する包括的高度慢性下肢虚血(CLTI)を対象にコラテジェンを投与したP2床試験を2020年から2023年にかけて実施したもの。2024 年6月には速報値により良好な結果が認められた。
 その後、2024年9月には米国FDAより画期的新薬(ブレイクスルー・セラピー)に指定された。
 コラテジェンの対象疾患であるCLTIでは、重症化し、下肢の大切断(足首より近位)となった場合、その後の5年死亡率は57%で、肺がん80%に次ぐものである(南カリフォルニア大学医学部のDavid Armstrong 教授らの報告による)。がんの治療コンセプトと共通するが、CLTIの治療も比較的初期段階で血行再建術を必要としない患者に早期からコラテジェンで治療を開始することで、潰瘍を治療し、下肢切断までの期間の延長と将来の患者のQOL向上に繋がることが期待される。
 今回、同臨床試験結果についての論文が米国心臓学会(AHA)の発行する「Circulation: Cardiovascular Interventions」に掲載されたため、臨床試験結果の詳細を次の通り公表した。。

【HGF 遺伝子治療用製品(AMG0001、コラテジェン)P2試験の概要】

・多施設共同プラセボ対照無作為化二重盲検比較試験
・登録症例数は75例

・神経虚血性潰瘍(TP/TcP02s 30~59mmHg)を有する患者

・AMG0001(4mg、8mg)またはプラセボのいずれかを1ヶ月間隔で4回注射

・観察期間は投与開始後12ヶ月(1年間)

【P2試験の結果】

・治癒までの期間の中央値は、AMG0001治療群では84日であったのに対し、プラセボ群では280日であった(p=0.007)

・12ヶ月までに治癒した潰瘍の割合は、AMG0001治療群では77.6%であったのに対し、プラセボ群では46.2%であった(p=0.010 )

・6ヶ月までに完全治癒した割合は、AMG0001治療群では63.3%であったのに対し、プラセボ群では38.5%であった(p=0.053)

 以上より、HGF 遺伝子治療用製品(AMG0001)は、中等度のCLTI 患者の潰瘍完治までの期間を有意に短縮し、良好な安全性が確認された。HGF遺伝子治療用製品は、CLTI患者の治療に有望な選択肢を提供する可能性が示された。
 

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