「認知症をとりまく社会課題白書」2025年度版公開 エーザイ

 エーザイは、認知症や軽度認知障害(MCI)の現状と、それらを取り巻く社会課題についてまとめた「認知症をとりまく社会課題白書」2025年度版を作成し、同社ウェブサイトの「認知症をとりまく社会課題」ページに公開した。
 同社は、治療薬の開発にとどまらず、認知症の当事者様とご家族の皆様を予防からケアまで、他産業・自治体などあらゆるパートナーと連携し、包括的にサポートする「認知症エコシステム」の構築を推進している。
 今回公開した「認知症をとりまく社会課題白書」2025年度版は、日本総合研究所の監修のもと、認知症や軽度認知障害(MCI)の現状に加えて、認知症に関する多岐にわたる課題を7つの社会課題として整理し、それらを表すデータとともに、その解決に向けた方策を示したものだ。
 「認知症をとりまく社会課題」ページでは、それぞれの社会課題に対してパートナーとなりうる業界・業種を提示し、課題解決に向けた共創の機会を追求する。認知症をとりまく7つの社会課題は、次の通り。

◆資産管理
 認知症と診断され意思能力がないと判断されると、金融機関での取引や不動産取引、生命保険の契約や解約、相続関連等の資産管理が困難になる

◆仕事と介護の両立
 働きながら認知症の家族を介護する人が増加し、仕事と介護の両立が困難になり経済的損失が生じる

◆生活インフラ
 認知症の独居高齢者の増加により、買い物や食事など日常生活のサポートや、住まいを確保するための支援が必要となる

◆早期受診・早期治療
 MCI および認知症の疾患に対する理解不足や、受診の動機付けが不十分なことなどにより、早期受診・診断・治療に至らない

◆移動困難
 75歳以上の人の運転免許更新時の認知機能検査の義務化や、自主返納する人も増え、自身の運転による移動ができない人が増加する

◆孤立・孤独
 認知症の人は引きこもりがちになることが多く、社会参加の機会が減ることにより、必要な支援を得られない等の様々な問題が生じやすくなる

◆スティグマ(偏見)
 世の中の認知症への偏見や差別が、認知症の本人や家族に様々な負の影響を与え、生活の質を低下させる

 エーザイは、「認知症をとりまく社会課題白書」2025年度版の作成を機に、認知症をとりまく社会課題の解決に向けて、他産業のパートナー連携をより強化することで「認知症エコシステム」の構築を推進し、誰もが自分らしく「生ききる」ことのできる「認知症共生社会」の実現への貢献をめざしていく。

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