後発品の品目統合等に向けた協業に合意 製造所集約と品目統合を段階的にスタート 沢井製薬と日医工

 沢井製薬と日医工は10日、後発医薬品の製造所集約と品目統合に向けた協業に合意したと発表した。現在、同合意における協議中の対象品目数は15成分30品目で、2026年以降、準備が整い次第順次開始する。
 2020年以降、後発医薬品企業の品質問題などにより供給停止や出荷調整が相次ぎ、現在も後発医薬品の供給不安が大きな課題となっている。これは、後発医薬品の少量多品目の生産構造により、生産効率の低下と品質管理の負担が増大していることも一因であると考えられる。
 こうした喫緊の課題に対応するため、厚労省は後発医薬品企業の連携を推進しており、「医療用医薬品の品目統合等に伴う製造方法等の変更手続に係る手続の迅速化について」を発出。製造所集約に必要な薬事手続の標準的事務処理期間を従来の6ヵ月から1.5ヵ月に短縮する特例を設けた。また、「後発医薬品製造基盤整備基金」を設置し、品目統合に伴う生産性向上に向けた設備投資等の経費補助を行っている。
 両社はこれらの施策を活用し、製造所集約と品目統合の協業を通して、生産効率を向上し、生産キャパシティを増加させ、後発医薬品の安定供給体制の構築に取り組んでいく。協業の概要は、次の通り。

◆協議中の対象品目数:15成分30品目(2025年9月現在の計画)

・中止代替(一方の製品を発売中止し、もう一方の製品で代替供給する):16品目
・それぞれで製造していた品目を一方の製造所に統合する:14品目

◆開始時期:2026年以降、準備が整い次第順次

◆澤井光郎沢井製薬代表取締役会長のコメント

 当社はこれまで生産能力の増強やサプライチェーンの最適化など、安定供給について個社の企業努力を続けてきた。今回のように品目数や供給量、生産能力の大きい企業同士の協業は、これまでの努力によって強化した供給力をさらに効率的に高め、供給不安の早期解決に大きく寄与するものと考えている。
 今後も公正で健全な競争環境を尊重しつつ、安定供給に貢献できる新たな取り組みについても継続して模索していきたい。

◆岩本紳吾日医工代表取締役社長のコメント
 当社では、2023年3月より新経営体制のもと、生産体制の見直しと品質保証体制の強化に取り組んできた。また今年の7月には当社、共和薬品及びT’sファーマ3社の持株会社であるアンドファーマが発足した。品質の良い医薬品を安定的に供給し、人々の健康と幸せにより一層寄与することはもちろんのこと、沢井製薬との協業により、後発医薬品の安定供給体制の構築に向けて全力を尽くしていきたい。

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