多発性骨髄腫治療薬「サークリサ」 皮下注射製剤承認申請 サノフィ

 サノフィは28日、サークリサ(一般名:イサツキシマブ、遺伝子組換え)について、皮下注射製剤の製造販売承認申請を同日行ったと発表した。
 同申請は、ポマリドミド・デキサメタゾン併用療法(Pd)、カルフィルゾミブ・デキサメタゾン併用療法(Kd)、ボルテゾミブ・レナリドミド・デキサメタゾン併用療法(VRd)を対象としたもの。
 多発性骨髄腫は、血液腫瘍のなかでは世界で2番目(日本では3番目)に多い疾患である。現時点では、多発性骨髄腫は治癒が困難な疾患であるが、治療介入により長期の生存が可能になっている。
 治療アルゴリズムは、未治療あるいは再発・難治性に大別され、サークリサはどちらの患者に対しても治療選択肢となる薬剤である。
 現在、サークリサは点滴静注製剤が承認されている。今回の申請は、市販のシリンジを用いた手動による皮下投与、または、オンボディ・インジェクター(OBI、オンボディ・デリバリーシステム〔OBDS〕とも呼ばる)による皮下投与を選択肢に加えることを目的にしている。
 サークリサ皮下投与は、静脈内投与と比較して、投与に要する時間の大幅な短縮が可能になり、患者や医療従事者の負担が軽減する。また、皮下投与では静脈内投与に比べて緩徐に吸収されるため、静脈注射による全身性インフュージョンリアクション発現率の減少が期待される。加えて、OBIにより、多発性骨髄腫の治療を受ける患者さんの治療満足度の向上に寄与する可能性がある。
 臨床試験では、開発中の Enable Injections 社のハンズフリー自動インジェクターである enFuse OBI を用いてサークリサが皮下投与された。
 今回の承認申請は、国際共同P3試験であるIRAKLIA試験を含む、サークリサ皮下投与を検討した5つの試験結果に基づくもの。IRAKLIA試験では、1次治療以上の前治療歴がある再発または難治性の多発性骨髄腫の成人患者を対象に、ポマリドミド・デキサメタゾン併用療法(Pd)に OBI を用いてサークリサ1400mgを皮下投与する治療法と、サークリサ®10mg/kgを静注する治療法を比較した。
 結果は、客観的奏効率(ORR)と定常状態における投与前血中薬物濃度(トラフ濃度)を複合主要評価項目として、静注に対する皮下投与の非劣性が示された。
 サークリサ皮下投与の安全性データは、これまでサークリサ静脈内投与で確立されている安全性プロファイルと同様であった。また、OBIを用いた皮下投与の重大な安全上の問題は認められなかった。

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