本田あきこ参議院当選と、薬局財政支援など大阪府・市への予算要望内容を報告 大阪府薬

乾氏

 大阪府薬剤師会は6日、定例記者会見を開催し、乾英夫会長が「本田あきこ参議院の当選」と「財政支援を中心とした大阪府・市へ予算要望の内容」を報告した。
 第27回参議院選挙比例区で2期目の当選を果たした本田あきこ氏については、「熱い戦いになった。自民党の名簿順位が11番目となり、滑り込みではあったが当選した。オール薬剤師、オール薬業の底力を示せた」と感想を述べた。さらに、「本田議員は、参議院の厚生労働委員会委員長に就任した。神谷まさゆき参議院と二人で薬剤師の代表として頑張って頂ける体制が整った。しっかりと現場の声を届けていきたい」と力説した。
 乾氏は、残り8カ月となった2025年度の大阪府薬の事業方針にも言及し、「3年前に出された薬局薬剤師業務および薬局機能に関するワーキンググループが取りまとめた“薬剤師が地域で活躍するためのアクションプラン”にしっかりと対応できるようにアシストしたい」と断言。
 その具体的施策として、「日本薬剤師会が公表した“地域医薬品提供体制強化のためのアクションリスト”を推し進めてく」考えを強調した。
 7月9日に大阪府薬が大阪府に提出した予算要望は、①市民・患者の健康を守るために必要な医療を確実かつ十分に提供するための財源確保、②薬局における賃金上昇・物価高騰への対応に関する財源支援、③学校における「薬教育」及び薬物乱用防止対策の充実強化と薬剤師の活用、④学校環境衛生検査の全検査項目実施に向けた取り組み、⑤災害時、新興感染症等の感染拡大時の医薬品提供体制の整備並びに薬剤師の参画、⑥地域医薬品提供体制の構築・実現に向けた支援(安全・安心な医薬品提供システムの確立)、⑦地域フォーミュラリの推進、⑧薬局DXの推進・実現のための支援ーの8項目。
 大阪市には、7月18日、これら8項目に加えて、教育委員会における「学校保健技師」職(薬剤師)の設置を要望した。
 今回特に重きが置れたのは、②の薬局における賃金上昇・物価高騰への対応に関する財源支援である。光熱費を始めとする物価高騰の中、公定価格で運営している保険薬局では価格転嫁ができないため、約3割の薬局が赤字に転落している。他産業に負けない賃上げ等が実施できるよう診療報酬の引き上げが必要である。
 加えて、2018年から7年連続で実施された薬価改定により、薬剤師の比率が報酬全体の75%を超える保険薬局では、より大きな影響を受けている。
 山岡信也専務理事は、「こうした中、今回の診療報酬改定で地域支援体制加算が7点も下がった。保険薬局への財政支援は、大阪府の医療機関等物価高騰対策一時支援金の3万円のみである」と現況の厳しさを説明した。
 さらに、「医科・歯科医療機関クリニックや訪問看護ステーションには、医療施設に対する生産性向上・職場環境整備等支援事業として18万円、病院には許可病床数×4万円の支援があるのに薬局には支給されない」と指摘。
 その上で、「地域の医薬品提供を担う薬局がその機能を発揮し、市民・患者さんに適切に医療・介護サービスが提供できるように十分な財政支援をお願いしてきた」と語った。
 また、乾氏は、「大阪府内における災害時薬事体制の整備に向けて、大阪府薬を通じて各地域薬剤師会に地域災害薬事コーディネーター候補者の推薦を依頼している」と報告。
 地域災害薬事コーディネーターは各地域薬剤師会毎に2名(約100名超)を想定しているが、「関係保健所や市町村の状況に応じた人数配分が不可欠になる」と訴えかけた。
 今後は、8月8日に各地域薬剤師会に地域災害薬事コーディネーター候補者を登録し、候補者は研修受講後に府が委嘱手続きを行うスケジュールになっている。


    

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