バイジュベック 栄養障害型表皮水疱症遺伝子治療薬として国内製造販売承認取得 クリスタル・バイオテック

 クリスタル・バイオテックは28日、国内初の塗布型遺伝子治療薬「バイジュベック」(一般名:ベレマゲン ゲペルパベク)について、24日に栄養障害型表皮水疱症(DEB)治療薬として日本における製造販売承認を取得したと発表した。
 適応症は、希少な遺伝性皮膚疾患である栄養障害型表皮水疱症。同剤は、栄養障害型表皮水疱症の治療薬として、日本で初めて承認された遺伝子治療用製品となった。ヒトCOL7A1遺伝子の機能的なコピーを投与することで、疾患の根本原因を標的とし、傷の治癒と持続的な機能的なVII型コラーゲンタンパク質の発現を再投与により実現するように設計されている。
 日本での承認により、自宅または医療施設での投与が可能となり、患者またはその家族による投与の選択肢が提供される。
 カルタヘナ法に基づく第1種使用規程の審査における評価と環境安全確認を経て、日本で初めて在宅投与が承認された。在宅投与できるのは、バイジュベックの良好な安全性プロファイルと、適切に投与された場合の環境への拡散リスクが最小限であることが評価されたため。
 同剤の日本での販売開始時期は、現在進行中の薬価収載手続きに依存しており、2025年末までを予定している。同剤は、2023年5月に米国で、また2025年4月に欧州連合(中央審査方式)で承認されている。
 今回のバイジュベックの承認は、日本人患者を対象に実施された非盲検延長試験の結果を含む、包括的な臨床データに基づくもの。日本での非盲検延長試験の結果は、米国で実施されたP3試験をはじめとするこれまでの臨床経験と非常に一致しており、試験を完了した4人全員が、主要評価項目である「6か月時点での創傷の完全閉鎖」を達成した。
 また、同剤は日本人患者においても良好な忍容性(副作用の少なさ)を示し、安全性プロファイルもこれまでの試験結果と一貫していた。

◆笠本浩クリスタル・バイオテック ジャパン代表取締役社長兼日本ゼネラルマネージャーのコメント
 日本における栄養障害型表皮水疱症の患者さんは、あまりにも長い間、慢性的かつ生活に深刻な影響を及ぼすこの疾患に対して、有効な根本治療を受けられずに苦しんできた。
 バイジュベックの日本における承認は、治療薬を切実に待ち望んでいた患者さんにとって、画期的な進展である。全国の栄養障害型表皮水疱症の患者さんの生活を劇的に改善する可能性を持つこの治療薬を通じて、全国の患者さんに新たな希望を届けられると信じている。
 現在、年内での日本の販売開始に向けた準備を進めており、今後多くの患者さんにこの革新的な治療法を提供できることを期待している。

◆スマ・クリシュナン クリスタル・バイオテック研究開発部門プレジデントのコメント
 日本でのバイジュベックの承認は、当社と栄養障害型表皮水疱症の患者さんにとって重要なマイルストーンである。日本と欧州での承認により、世界中の患者さんの治療成果向上という目標に向けて、着実な進展を遂げている。

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