抗精神病薬「レキサルティ」 PTSDへの適応追加に対してFDA諮問委員会が否定的見解 大塚製薬

 大塚製薬は19日、抗精神病薬「レキサルティ」について、米国FDAの精神薬理学医薬品諮問委員会(PDAC)が成人の心的外傷後ストレス障害(PTSD)における効能追加承認申請(sNDA)に対して承認に否定的見解を示したと発表した。
 同会議では、諮問委員会による投票が行われ、「申請者(大塚製薬およびルンドベック)が成人のPTSDの効能追加における十分なデータを提供しているか」という質問に対し、否定的な見解(賛成1:反対10)が示された。この会議の結果は、FDAがレキサルティとセルトラリンの併用療法をPTSDの成人患者に対する治療薬として審査する際に考慮される可能性がある。
 同申請は、2つのP3試験(#071試験:416人の可変用量試験と#072試験:553人の固定用量試験)とP2試験(#061試験:321人の可変用量試験)に基づくもの。いずれの試験も、成人のPTSD患者を対象とした、ブレクスピプラゾールとセルトラリン併用療法の有効性、安全性、忍容性を評価した。
 これら3つの試験における主要評価項目は、投与10週目におけるセルトラリン単剤療法に対するブレクスピプラゾールとセルトラリン併用療法のCAPS-5(Clinician-Administered PTSD Scale for DSM-5)総スコアの変化量であった。
 大塚製薬とルンドベックは、審査終了に向けて、引き続きFDAと緊密に連携していく。

◆ジョン・クラウス大塚ファーマシューティカルD&Cの上級副社長兼医学責任者のコメント
 本日の結果は残念であったが、当社はFDAがこの申請の審査を完了するまで、引き続き全面的に協力していく。レキサルティとセルトラリンの併用療法は、現在のPTSD治療方法に比べて意味のある違いをもたらすと考えている。

◆ヨハン・ルスマン ルンドベック社上級副社長兼研究開発責任者のコメント
 患者さんとPTSDコミュニティ全体への私たちのコミットメントは揺るがない。PTSDは長年にわたり、治療が難しい複雑な疾患とされてきた。本試験に参加してくださった患者さんと治験機関の皆様に感謝申し上げたい。

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