脂肪性肝疾患治療・進行抑制薬「efimosfermin」 米ファーマシューティカル社から買収完了 GSK

 GSKは16日、米ファーマシューティカル社が開発中の脂肪性肝疾患(SLD)治療および進行抑制薬「efimosfermin」について、同社からの買収を完了したと発表した。
 GSKはファーマシューティカルの子会社であるBP Asset IX社の買収を通じて、efimosferminを入手した。この買収の現金対価は最大20億ドルで、その内訳は契約一時金12億ドル、薬事上のマイルストーン達成に応じた最大8億ドル。また、GSKは、マイルストーン達成に応じた支払いに加えて、efimosferminの段階的なロイヤルティをNovartis Pharma AG 社に支払う責任を負う。
 EfimosferminはP3試験準備段階にあり、SLDの治療および進行抑制を目的とした、ベストインクラスのスペシャリティ医薬品となる可能性を有する治療薬として開発中である。月1回投与の新規の線維芽細胞増殖因子21(FGF21)アナログ治療薬で、肝硬変を含む代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)の治療薬として臨床開発中であり、将来的にはアルコール関連肝疾患(ALD)の治療薬としての開発も予定している。現在、MASHとALDの治療選択肢は限られており、米国においてはこれらが肝移植の主な原因となり、保健医療制度上の大きな負担とコストとなっている。
 GSKは、ヒト遺伝学と疾患表現型の統合的理解に基づき、efimosferminが直接的な抗線維化作用のメカニズムによって、より進行したSLDに対処できる可能性があるとしている。また、SLD患者向けに開発中のsiRNA治療薬であるGSK’990との併用においても可能性を見出している。

◆カイヴァン・カヴァンディGSKシニアバイスプレジデントおよび呼吸器・免疫・炎症部門R&Dグローバルヘッドのコメント
 GSKのefimosfermin の買収完了は、肝疾患の脂肪性およびウイルス性要因に対処することを目的とした肝臓領域におけるパイプラインの重要な拡大を意味している。
 Efimosferminは、GSKにとって重要な成長機会となるもので、複数の開発オプションを有し、2029年には最初の発売を予定している。この薬の可能性を患者さんのために最大限に引き出せることを楽しみにしている。
 GSKは、免疫システムのサイエンスと先進技術を活用し、さまざまな免疫介在性疾患に対するイノベーションを推進している。Efimosferminが加わったことで、GSKの重点領域である肝臓、肺、腎臓の線維性炎症性疾患に対するパイプラインはさらに拡充される。

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