痛風治療剤「URECE」 中国で新発売 エーザイ

 エーザイは14日、痛風治療剤「URECE」(一般名:ドチヌラド、中国製品名:优乐思)について、中国で新発売したと発表した。
 URECEは、昨年12月に「高尿酸血症に伴う痛風」の適応で、中国国家薬品監督管理局(NMPA)より承認を取得しており、富士薬品(本社:埼玉県)が創出した新規の痛風・高尿酸血症治療剤。腎臓での尿酸再吸収に関与するトランスポーター(URAT1)を選択的に阻害することにより、尿酸の再吸収を抑制し、血中尿酸値を低下させる。
 エーザイは、富士薬品とのライセンス契約により、中国およびASEAN 5カ国(インドネシア、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、タイ)における独占的開発権・販売権を有している。中国のほか、タイ、フィリピンでも承認を取得している。

 中国での承認は、エーザイが中国で451人の痛風患者を対象に実施した多施設共同、実薬対照、二重盲検、並行群間比較、無作為化P3試験の結果に基づくもの。同試験の主要評価項目である24週時点の血清尿酸値が6.0mg/dL以下の被験者の割合は、ドチヌラド群で73.6%[95%信頼区間(CI):67.8、79.5]、対照薬のフェブキソスタット群で38.1%[95%CI: 31.6、44.5]となり、ドチヌラド4mgのフェブキソスタット40mgに対する統計学的優越性が確認された(割合の差35.87%[95%CI: 27.36、44.37、p<0.001])。
 痛風はあらゆる年齢で発症する可能性があり、女性よりも男性に多く見られ、急性発作時には関節の激しい痛み、浮腫、発赤、炎症を発症するケースがある。
 痛みは数日かけて徐々に軽快するが、数週間続く場合もある。治療せずに放置すれば、関節組織が損傷して変形し、日常の動作が制限され、生活の質が低下する可能性もある。
 中国における痛風の有病率は上昇傾向であり、現在の痛風患者は約2300万人と推定されている。社会経済の発展に伴う生活習慣や食嗜好の変化等に伴い、今後も患者数の増加が予想されている。エーザイは、中国におけるより多くの痛風患者に同剤を新たな治療選択肢として提供し、QOL向上に寄与する。

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