タービー  再発・難治性多発性骨髄腫で製造販売承認取得 Johnson&Johnson

 Johnson&Johnson(J&J)は24日、「タービー」について、再発または難治性の多発性骨髄腫を効能・効果に製造販売承認を取得したと発表した。
 タービーは、T細胞表面に発現するCD3受容体と、多発性骨髄腫における新規の標的で、多発性骨髄腫細胞表面に高発現するGPRC5Dに結合する二重特異性抗体である。初回の導入期後は、週1回もしくは隔週に1回の皮下投与を行う。
 今回の承認は、国際共同P1/2相MonumenTAL-1試験3、4及び国内P1相MMY1003試験5の結果に基づくもの。これらの試験では、再発又は難治性の多発性骨髄腫の成人患者を対象に、タービーの有効性及び安全性を評価した。試験の結果、タービーは、T細胞リダイレクト治療薬による治療歴の有無に関わらず、深く持続的な奏効及び良好な安全性プロファイルを示した。
 多発性骨髄腫は、依然として治癒困難な血液がんであり、再発を繰り返し、その度に別の治療を行わなければならなくなる症例が多くある。さらに、再発して症状の再燃を繰り返す度に、症状は悪化し、治療が奏効する可能性は低くなり、奏効持続期間も短くなる傾向にある。

◇伊藤薫樹岩手医科大学内科学講座血液腫瘍内科分野教授のコメント
 臨床試験の結果、T細胞リダイレクト治療薬による治療歴の有無に関わらず、前治療歴のある再発または難治性の多発性骨髄腫患者さんに対しタービーで治療を行うことで、臨床的に意義のある有効性・安全性プロファイルが確認された。
 再発または難治性となった患者さんの予後は不良であり、GPRC5DとCD3を標的とする二重特異性抗体として世界で初めて承認されたタービーが、治癒困難な多発性骨髄腫の患者さんにとって、新たな選択肢となることを大変嬉しく思う。

◆クリス・リーガーJ&J Innovative Medicine Japan代表取締役社長のコメント
 この度承認を取得したタービーは、J&Jが多発性骨髄腫の治療薬として提供する2つ目の二重特異性抗体となる。これは、治癒困難な多発性骨髄腫におけるアンメットニーズに対処し、ポートフォリオを拡大するという当社の確固たる姿勢を示すものである。
 GPRC5Dという新しい抗原の発見を含め、さらなる研究開発におけるブレイクスルーを追求し続けるとともに、がんの撲滅という目標に向け、治癒を目指した新しい治療薬の研究開発に引き続き取り組んでいく。

タイトルとURLをコピーしました