武田薬品は4日、アドセトリス(一般名:ブレンツキシマブ ベドチン、抗体薬物複合体[ADC])について、欧州委員会(EC)がECADDとの併用療法として成人ホジキンリンパ腫を対象に承認したと発表した。
エトポシド、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ダカルバジンおよびデキサメタゾン(ECADD)との併用療法として、リスク因子を有するIIb期およびIIIまたはIV期の新規診断を受けたホジキンリンパ腫の成人患者を対象に承認された。
アドセトリスは、ホジキンリンパ腫の特徴的なマーカーであるCD30を標的としたADCで、これまでに欧州連合(EU)において、6つの異なる適応症に対する治療法として承認されている。
今回の承認により、アドセトリスによる併用療法は、ホジキンリンパ腫の一次治療における2番目の承認となり、これまで選択肢が限られていた患者にとって、利用可能な治療法の幅が広がる。
今回の決定は、本年4月25日に欧州医薬品評価委員会(CHMP)からの肯定的見解に基づくもの。
BrECADDとして知られるホジキンリンパ腫の一次治療におけるアドセトリス併用療法の承認は、無作為化P3相HD21試験の結果に基づいている。同試験は、治療関連合併症率(TRMB)および無増悪生存率(PFS)の非劣性において、BrECADDが欧州における標準治療であるブレオマイシン、エトポシド、ドキソルビシン、シクロホスファミド、ビンクリスチン、プロカルバジン、プレドニゾンの増量レジメン(eBEACOPP)と比較して有意に優れた安全性を示し、主要な安全性および有効性の複合主要評価項目を達成した。
◆テレサ・ビテッティ武田薬品グローバル オンコロジー ビジネス ユニット プレジデントのコメント
本日の承認は、欧州連合におけるホジキンリンパ腫の患者さんにとって重要な進展を意味する。今回の承認により、特定のリンパ腫の治療におけるアドセトリスの役割が強化され、医療従事者が個々の患者さんのニーズに応じて治療計画を柔軟に調整できるようになる。我々は、この困難な病気であると診断された患者さんにとって有用なもう一つの選択肢を提供できることを誇りに思う。
◆Peter Borchmann氏(ケルン大学病院, MD, PhD)のコメント
BrECADDにより、患者さんは、eBEACOPPと比較して、より高い治癒の可能性を提供されるだけでなく、治療関連合併症の発現率を大幅に減少させる治療選択肢を利用できるようになる。
この新しいアドセトリスの併用療法は、ホジキンリンパ腫の一次治療における成人患者さんに対して新たな標準治療を提供し、患者さんの長期予後の改善に貢献する可能性がある。