中国Evopointと胃がん、食道がん等対象抗体-薬物複合体の独占的ライセンス契約締結 アステラス

 アステラス製薬は5月30日、中国のバイオ医薬品企業EvopointとCLDN18.2を標的とした開発中の新規抗体-薬物複合体(ADC)「XNW27011」の独占的なライセンス契約を締結したと発表した。
 XNW27011は、胃がん、胃食道がんおよび膵臓がんを含むCLDN18.2陽性の固形がん患者を対象として、中国でP1/2試験を実施している。
 同契約により、アステラス製薬は、XNW27011の全世界(中国本土、香港、マカオ、台湾を除く)における開発および商業化に関するライセンスを取得する。
 同契約に基づきEvopointは、1億3000万ドルを契約一時金として受け取り、近い将来に支払われる開発マイルストンとして最大7000万米ドルを受け取る可能性がある。
 さらに、薬事申請、販売、および開発の進捗に応じたマイルストンとして、最大総額13億4000万ドルに加え、承認された場合はXNW27011の売上高に応じたロイヤルティを受け取る可能性がある。
 中国で実施されているP1/2試験のプログラムは、既存のがん治療において、すでに有効性が確認されている独自のペイロード(トポイソメラーゼ I 阻害剤)とリンカー技術を採用している。
 アステラス製薬は、世界で唯一承認されている抗CLDN18.2モノクローナル抗体であるVYLOYTM をはじめ、CLDN18.2を標的とする複数のがん免疫療法の研究開発において高い専門性を有している。XNW27011は、アンメットメディカルニーズを満たす可能性があり、CLDNを標的とするプログラム、および他の標的に対する複数のADCを有するアステラスのがん治療パイプラインを強化する。
 なお、同件によるアステラス製薬の通期(2026年3月期)連結業績への影響は軽微である。 
 
◆Adam Pearsonアステラス製薬経営戦略担当CStO(Chief Strategy Officer)のコメント
 アステラス製薬は、胃がんや膵臓がんをはじめとする治療が困難ながんに対する革新的な治療法の研究開発に注力している。XNW27011は、アステラス製薬のパイプラインを拡充し、精密がん医療におけるリーディングポジションをさらに強化することが期待される有望なプログラムである。
 CLDN18.2および消化器がんに対する我々の高い専門性を活かし、XNW27011の開発を加速し、患者さんに意義のある治療効果を提供できることを期待している。

◆Arthur Qiang Evopoint Chairmanのコメント
 XNW27011は、臨床において大きな期待が寄せられている革新的なADCである。アステラス製薬は、革新的ながん治療プログラムの研究開発において豊富な実績があり、商業化においても強固ながん領域の事業基盤を構築している。治療を必要としている世界中の患者さんに新たな治療選択肢を提供するという我々共通の目標の達成に向けて、今回のライセンス契約を締結できることを嬉しく思う。

タイトルとURLをコピーしました