毛髪の成長をサポートする植物エキス「オウバク・チンピ」発見 ロート製薬

 ロート製薬は28日、研究拠点であるロートリサーチビレッジ京都で毛髪成長に重要な役割を果たすPlGF(Placental Growth Factor:胎盤増殖因子)の産生を促進する植物エキス(オウバク・チンピ)を発見したと発表した。
 同研究成果を応用し、男性だけでなく女性や若年層の育毛剤の選択肢を広げる製品を開発していく。
 ロート製薬は、性別や年齢に関わらず毛髪に悩みのある顧客に寄り添うべく、長年にわたりヘアケア研究を進め、シャンプーなどの洗浄剤に留まらず、発毛剤や育毛剤など様々なアプローチで製品を世の中に送り出してきた。近年、発毛・育毛剤市場は好調に推移しているものの、成分や価格、効果など様々な要因から、悩みを持つ人が自由に製品を選べていないという現状がある。
 こうした課題を解決するためにこれまでの研究結果から毛球部のPlGF/VEGFR-1経路(図1)に着目し毛乳頭細胞のPlGF産生促進について研究を推進してきた。

図1:PlGF産生促進による毛髪成長機構

「PlGF(Placental Growth Factor:胎盤増殖因子)」とは?

 毛包の底部にある髪の形成において重要な役割を担う毛乳頭細胞でつくられる。髪のもとになる毛母細胞に存在する受容体VEGFR-1に結合することで、毛母細胞の増殖を促進し、髪の成長をサポートする因子である。他の成長因子に比べ毛髪関連の報告が少ない因子であるが、ロート製薬はその可能性にいち早く注目しこれまで研究を進めてきた。
 具体的には、自然界に存在する素材の数ある候補の中から、毛乳頭細胞に作用しPlGFの産生を促進する植物エキスの探索を行ったところ、オウバク・チンピにその作用があることを見出した。
 ヒト頭髪毛乳頭細胞にオウバクエキスまたはチンピエキスを添加すると、添加していない細胞に比べてそれぞれ約2.1倍、2.2倍のPlGFを産生することを確認した。(図2)

図2:オウバク、チンピ添加による細胞当たりのPlGF産生量の変化

 同研究成果により、植物エキスであるオウバク・チンピに毛髪成長に関与するPlGF産生効果があることが示された。この技術は、頭髪だけでなく睫毛などへの応用が期待される。

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