日本ベーリンガーインゲルハイムは27日、2024年の売上高(1-12月)は、医療用医薬品事業が前年比8.4%増の2513億円(薬価ベース)、アニマルヘルス事業が前年比2.7%増の219億円(出荷ベース)となったと発表した。医療用医薬品事業の2024年の売上高は、主力製品であるジャディアンスファミリーとオフェブに牽引され前年比8.4%増となり、2019年より6年連続の増収を達成した。
2024年にジャディアンスファミリー、トラゼンタ、オフェブを、250 万人以上の患者に提供した。
SGLT2 阻害薬のジャディアンスは、786億円(前年比32.7%増)となった。この大幅な売上の伸長には、ジャディアンスが2024年2月、2型糖尿病と慢性心不全に加えて、3番目の適応症となる慢性腎臓病の国内製造販売承認を取得したことが寄与した。
ジャディアンスとDPP-4阻害薬トラゼンタの配合剤である2型糖尿病治療薬のトラディアンスは、343 億円(前年比18.2%増)であった。ジャディアンスとトラディアンスの2製品によるジャディアンスファミリーの売上は1129億円(前年比27.9%増)となり、初の1000億円超を達成した。
抗線維化剤で特発性肺線維症(IPF)および全身性強皮症に伴う間質性肺疾患(SSc-ILD)、進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF-ILD)の治療薬であるオフェブの売上は667億円(前年比9.4%増)となり、抗線維化剤市場におけるトップシェアを維持した。
オンコロジー領域ではゾンゲルチニブ(一般名、開発コード:BI 1810631)の開発を進展させ、HER2遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんを対象として2025年、日本国内における製造販売承認申請を行った。同社はゾンゲルチニブを皮切りに、オンコロジー領域への注力を強化していく。
一方、ベーリンガーインゲルハイム アニマルヘルス ジャパン(アニマルヘルス事業)の売上高は、前年比2.7%増収となった。売上全体の80%を占めるコンパニオンアニマル(ペット)分野では、ネクスガードファミリーを中心とした主力の犬猫用寄生虫駆除薬が138億円(卸売出荷ベース、前年比6.5%増)となり、引き続きマーケットシェア50%以上を占め、存在感を示している。
◆ヤンシュテファン・シェルド氏(日本におけるベーリンガーインゲルハイムグループのカントリー・マネージング・ディレクター)のコメント
2024年、日本において多くの患者さんの治療に貢献できたことを嬉しく思う。ベーリンガーインゲルハイムは、グローバル全体で過去最高の水準で研究開発への投資を継続している。日本においても引き続き研究開発に注力し、患者さんに新しい治療選択肢をいち早くお届けすることに尽力する。さらに、2025年も『Life forward』をスローガンに、画期的な治療法の創出やサステナビリティへの取り組みなどを通じて、人と動物のかけがえのない日常への貢献を続けていく。