アストラゼネカは11日、イミフィンジを含む周術期レジメンについて、切除可能な非小細胞肺がんの治療薬としてEUで承認を取得したと発表した。
適応症は、化学療法との併用療法で、再発リスクが高く、上皮成長因子受容体(EGFR)遺伝子変異または未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)融合遺伝子が確認されていない、切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)の成人患者の治療薬。このレジメンでは、患者は手術前にイミフィンジと術前化学療法の併用療法を受け、手術後には術後補助療法としてイミフィンジ単剤療法を受けることになる。
欧州委員会による同承認は、欧州医薬品評価委員会の肯定的な見解に続くものであり、The New England Journal of Medicine誌に掲載されたピボタル試験であるAEGEAN試験の結果に基づくもの。
欧州では毎年、45万人以上が肺がんと診断されている。最も一般的な肺がんの型であるNSCLCの全患者さんのうち、約25~30%が早期に診断され、根治を目的とした手術を受けている。だが、切除可能な患者の大多数が再発し、ステージIIの患者における5年生存率はわずか36~46%である。
さらに、ステージIIIAでは24%、ステージIIIBでは9%にまで低下することから、依然高いアンメットニーズが存在していることがうかがえる。
◆AEGEAN試験のコミッティーメンバーおよび治験責任医師であるMartin Reck教授(Lung Clinic Grosshansdorf胸部腫瘍学部長)のコメント
本承認は、これまで再発率が高く予後不良であった切除可能な非小細胞肺がんの欧州の患者さんにとって、標準的な併用療法となりうる重要な新しい治療選択肢を提供するものである。周術期においてデュルバルマブを術前化学療法に追加することで、がんの再発なしに患者さんの生存期間が有意に延長され、この根治目的の治療において転帰に意義ある改善がもたらされた。
◆Dave Fredricksonアストラゼネカオンコロジー・ヘマトロジービジネスユニットエグゼクティブ・バイスプレジデントのコメント
本承認は、欧州における切除可能な非小細胞肺がん患者さんの転帰改善に向けた重要な一歩であり、より多くの患者さんがこの重要な免疫療法に基づくレジメンを利用できるようになる。
この新しい適応症は、切除不能な疾患におけるイミフィンジの確立された役割を基盤としており、治癒の可能性が最も高い、早期ステージの肺がんにおける治療を変革するという当社の取り組みを強調するものである。