塩野義製薬は1日、新型コロナ経口治療薬「ゾコーバ」について、COVID-19の曝露後予防の適応で、米国FDAへの新薬承認申請のローリング・サブミッション(段階的申請)を、米国時間の3月28日から開始したと発表した。
ローリング・サブミッションは、申請資料を段階的に FDAに提出することで、FDAは全データの提出を待たずに提出されたデータから順次審査を進めることができる制度だ。同薬の新薬承認申請の段階的申請は、グローバル第3相曝露後発症予防試験(SCORPIO-PEP試験)の良好な結果に基づいて行われている。
COVID-19は依然として、健康に対する脅威となっており、米国では毎週数千人が入院し、数百人が死亡するなど、公衆衛生上の脅威となっている。
また、生活の質を著しく低下させ、仕事への影響、罹患後症状、重症化、入院、そして死亡に至るリスクも存在する。さらに、ワクチンの接種率の低さや接種後の免疫力の持続性の低下という問題に加え、新たな変異株が出現する可能性などを考慮すると、COVID-19に対する追加の治療法や予防策が必要とされている。
今回のCOVID-19の曝露後予防の適応での申請が承認されれば、ゾコーバは曝露後予防での初めての経口抗ウイルス薬になることが期待される。ゾコーバの治療での適応については、FDAと協議を行っている。
なお、同件が2025年3月期の連結業績予想に与える影響は軽微である。