新型コロナ経口治療薬「ゾコーバ」 国内でCOVID-19予防の効能・効果追加申請 塩野義製薬

 塩野義製薬は27日、新型コロナ経口治療薬「ゾコーバ」について、日本におけるCOVID-19の予防に関する効能・効果追加申請を行ったと発表した。 今回のCOVID-19予防適応での申請が承認されれば、ゾコーバは曝露後予防での初めての経口抗ウイルス薬になる。
 同申請は、グローバルP3相曝露後発症予防試験(SCORPIO-PEP試験)の良好な結果に基づくもの。
 曝露後予防とは、新型コロナウイルス感染者との接触などウイルスに感染した可能性が生じた際に、発症前に治療薬を投与することで感染症の発症を防ぐ治療行為を意味する。
 COVID-19は依然として公衆衛生上の重大な課題であり、国内ではインフルエンザと比較して入院者数は約6倍、死亡者数は約15倍多く危険性の高い疾患である。
 COVID-19の予防については、ワクチン接種が基本とされているが、ワクチンの接種率の低さや接種後の免疫力の持続性の低下という問題に加え、新たな変異株が出現する可能性などを考慮すると、ワクチン接種だけではウイルス感染や発症、重症化を完全に抑えることは困難だ。
 そのため、COVID-19を発症している患者と濃厚接触された人への抗ウイルス薬の予防投与は、COVID-19予防の重要な選択肢となり得る。なお、同件が2025年3月期の連結業績予想に与える影響は軽微である。

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