成人薬剤抵抗性てんかん患者と介護者の実態調査 「いつ発作が起こるかの不安」が浮き彫りに アキュリスファーマ

 アキュリスファーマは18日、成人(18歳以上)の薬剤抵抗性てんかん患者およびその介護者(105名)を対象に実施した日常生活における困りごとに関する調査結果を発表した。
 調査結果では、「困りごと」は、薬剤抵抗性てんかん患者で「発作がいつ起こるかわからず常に不安である」、介護者で「将来に不安がある」が最多となった。
 てんかんは、乳幼児から高齢者までどの年齢層でも発症する可能性があり、成人にも多い神経疾患である(図1)。日本では約60万〜100万人がてんかんに罹患していると言われている。

 国際抗てんかん連盟(ILAE)が提唱する基準に準じ、国内外の関連医学会はけいれん発作の持続時間が5分を超える場合にはこれをてんかん重積状態(SE)とみなし、治療介入を推奨している。てんかん重積状態が30分を超えると神経学的後遺症のリスクがあると報告されている。
 多くのてんかん患者は適切な診断や治療を受けることでてんかん発作を抑えることができ、通常の社会生活を送っているが、約3割は抗てんかん薬を服用していても発作が消失せず、患者やその家族・介護者は繰り返す発作に対応することが求められている。
 そこで今回、てんかん重積状態におけるリスクが高い成人に焦点をあてた調査を実施した。調査概要、調査結果の詳細は次の通り。

【調査概要】
◆調査期間:2024年7月19日〜26日
◆調査エリア:全国
◆対象:既存治療を受けても、てんかん発作をコントロールできない成人てんかん患者および成人てんかん患者の介護者
◆回答総数:105人(患者さん71人、介護者34人)◆調査方法:WEBアンケート調査

【調査結果の詳細】
 日常生活における「困りごと」は、「発作がいつ起こるかわからないため常に不安である」が患者で76.1%、介護者で 44.1%、「発作の影響により将来に不安がある」が患者で 69.0%、介護者で 55.9%であった。
 発作に対して大きな不安を抱え、現在だけでなく将来に対しても精神的な負担を抱えていることが浮き彫りになった(図2、3)。

◆中川栄二国立精神・神経医療研究センター病院 てんかん診療部・総合てんかんセンター センター長のコメント
 てんかんは乳幼児から青年、高齢者までどの年代でも発症する可能性があり、患者数の多い神経疾患である。特に抗てんかん薬で発作を抑制できない薬剤抵抗性てんかんにおいて、いつ起こるかわからないけいれん発作は、患者さんやそのご家族・介護者の日常生活に様々な制限をもたらす。
 また、今回の調査で示されたとおり、成人の薬剤抵抗性てんかん患者さんおよび介護者の方は、その社会生活においていつ起こるかわからない発作に常に不安を抱えている。このようなけいれん発作に対するアンメットメディカルニーズは社会課題のひとつであり、少しでも解消につなげることが重要である。

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