針生検検体用いたオンコタイプDX検査で乳がん手術から術後補助療法開始まで8日間短縮 エグザクトサイエンス

 エグザクトサイエンスは13日、針生検検体を用いたオンコタイプDX検査により乳がん手術から術後補助療法開始までの期間を8日間短縮できたと発表した。
 オーストリア、ウィーンで開催されている第 19 回ザンクトガレン国際乳癌会議において、オンコタイプDX乳がん再発スコア検査の有用性をさらに強化する新たなデータとして報告したもの。
 同データは、英国で行われた試験1では、オンコタイプDX検査に乳がんの手術検体の代わりに針生検検体を用い、検査実施時期を手術前に移行することの利点について検討した。
 この多施設共同前向き無作為化比較試験(PreDX)では、17の乳がん診療ユニットにおいてオンコタイプDX検査に適格な患者341名が参加した。その結果、針生検検体を用いた検査により、手術から術後補助療法開始までの期間が臨床的に意義のある8日間短縮されることが示された。さらに、手術前の検査により不安や抑うつのスコアが有意に低下し、患者経験価値が改善した。
 針生検の検査成功率は99.1%であり、過去の研究において、針生検検体と手術検体の再発スコアの一致率は高く、患者の年齢(50歳未満対50歳以上)およびリンパ節転移別の検討では針生検検体と手術検体の再発スコアの分布に一貫性があることが示されている。
 この他、会議で発表されたスウェーデンで行われた経済分析では、オンコタイプDX検査の臨床導入が遅れると、コスト削減効果が低減し、患者アウトカムに悪影響を及ぼすことが示された。
 意思決定分析モデルを用いて、オンコタイプDX検査と他の利用可能なゲノム検査および従来の(非ゲノム)アプローチを比較した分析では、オンコタイプDX検査が低コストで優れた患者アウトカムをもたらすことが示された。
 この結果は、増え続けるエビデンスに貢献し、オンコタイプDX検査が臨床診療に組み込まれることを支持するものだ。この有益な検査は、より多くの情報に基づいて治療方針を決定し、個々の患者のニーズに応じて化学療法をカスタマイズすることにより治療の質を高め、より効率的で患者中心の医療システムに向かって前進することに貢献する。

◆ヘンリー・ケイン英国、ニューカッスル・アポン・タイン、ロイヤルビクトリア病院主任研究員・外科指導医のコメント
 この知見は、針生検検体を用いたオンコタイプDX検査が信頼できることを示しており、患者および乳がん医療サービスにもたらす潜在的な利点を強調している。
 術後補助療法を開始するまでの期間は、外来通院日数を減らすことによってさらに最適化され、患者経験価値全体に好影響を与える可能性が重要視される。

◆英国、ニューカッスル・アポン・タイン在住のジェニファー・D氏のコメント
 乳がん患者として、手術前に検査結果を知れたことは、私に安心と自信を与えてくれた。早期の検査は、患者の人生に多大な影響を与え、意思決定プロセスを助け、肉親だけではなく患者に愛情とケアを与えてくれる親族や友人にも良い影響を与えると信じている。

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