小野薬品は12日、Ionis社とIonis社が開発中の真性多血症(PV)治療薬「sapablursen」に関するライセンス契約を締結したと発表した。
Sapablursenは、Ionis社が創製したTMPRSS6を標的とした核酸医薬(アンチセンス阻害剤)で、成人PVを対象としたP2試験(IMPRESSION試験)が進められている。
なお、Sapablursenは、米国FDAから、2024年1月にファストトラック指定を、2024年8月にオーファンドラッグ指定を受けている。
同契約締結により、小野薬品は、全世界を対象に独占的にsapablursenを開発および商業化する権利を取得する。なお、Ionis社は、PVを対象としたP2試験完了まで引き続き開発を担当する。
小野薬品は、その後の全世界を対象としたsapablursenの開発および商業化活動を担当する。小野薬品は、契約一時金として2.8億ドル、また開発の進捗、申請/承認時および売上高に応じたマイルストンとして合計で最大6.6億ドルをIonis社に支払う。
また、小野薬品は、sapablursenの売上高に応じた二桁台の料率のロイヤルティをIonis社に支払う。同取引は、Hart-Scot-Rodino Antitrust Improvements Act (”HSR Act”)の要件の対象となる。
なお、同件による小野薬品の2025年3月期連結業績への影響は軽微であるが、今後、公表すべき事項が生じた場合速やかに開示する。
◆滝野十一小野薬品代表取締役社長のコメント
今回、RNA標的医薬品のパイオニアであるIonis 社とsapablursenに関して提携を開始できることを大変嬉しく思う。本提携は、血液領域のパイプラインを強化するという当社の戦略に沿ったものだ。sapablursen が全世界中の 真性多血症患者さんの新たな治療選択肢になることを期待している。
◆Brett P. Monia Ionis社CEOのコメント
Ionis社と小野薬品は、重篤な疾患を抱える人々のニーズに応えるために革新的な医薬品を推進することにコミットしている。同社独自の能力を活用して、PV患者さんに広くアクセスできるようにすることで、sapablursenの価値最大化をめざしていけることを嬉しく思う。