ギリアド・サイエンシズの2024年度通期の総収益は、2023年度比6%増の288 億ドルとなった。主に、HIV領域、オンコロジー領域および肝臓疾患領域の売上増によるもので、ベクルリーの売上減により一部相殺された。希薄化後EPSは、2023年度の4.50ドルに対し、2024年度通期では0.38ドルに減少した。その要因は主に、2020年にギリアドがImmunomedicsから買収した資産に関連する42億ドルの税引き前IIPR&D減損費用(税効果控除後 一株当たり2.49ドル)および2024年の第1四半期のCymaBay 買収に関連する39億ドルの買収によるIPR&D費(一株当たり3.14ドル)によるもので、製品売上高増により一部相殺された。
非GAAPベースの希薄化後EPSは、2023年度の6.72ドルに対し、2024年度通期では4.62ドルとなった。これは主に、CymaBay買収に関連する買収によるIPR&D費増、および税金費用によるもので、製品売上高増により一部相殺された。
2024年度通期の製品売上高の合計は、2023年度比6%増の286億ドル。ベクルリーを除く製品売上高の合計は、2023年度比8%増の268億ドルとなった。
HIV領域、オンコロジー領域および肝臓疾患領域の売上増が寄与した。HIV製品の売上高は、2023年度比8%増の196億ドルとなった。需要増のほか、平均実勢価格上昇が起因した。 ビクタルビは、前年度比13%増の134億ドで、需要が増加した。デシコビは、前年度比6%増の21億ドルで、需要が増加が平均実勢価格低下により一部相殺された。
肝臓疾患領域のの売上高は、前年度比9%増の30億ドル。この増加は主に肝臓疾患領域全体における需要増によるものである。
ベクルリーは、COVID-19関連の入院率が低下し、前年度比18%減の18億ドルとなった。細胞治療薬は、前年度比6%増の20億ドルとなった。
イエスカルタは、前年度比5%増の16億ドルで、米国以外での需要増および平均実勢価格が上昇したが、米国内の需要減により一部相殺された。
Tecartusは、米国以外の需要が増加し前年度比9%増の4億300万ドルとなった。トロデルビは、全地域での需要が増加して年度比24%増の13億ドルとなった。
製品売上総利益率は、前年の製造戦略変更に関連する構造改革費が起因して2023年度の75.9%に対し、2024年度通期では78.2%となった。非GAAPベースの製品売上総利益率は、2023年度の86.3%に対し、2024年度通期では86.2%となった。
2024年度通期のR&D費は、2023年度の57億ドルに対し、59億ドルであった。R&D費の増加は,
構造改革費およびCymaBay買収に関連する統合費用が要因となっっている。非GAAPベースのR&D費は、2023年度並みの57億ドルであった。2024年度通期の買収によるIPR&D費は、2023年度の12億ドルに対し、47億ドルで、CymaBay買収を反映したもの。
なお、2024年第4四半期の収益は、主にHIV領域、オンコロジー領域および肝臓疾患領域の売上増により2023年同期比6%増の76億ドルとなった。
希薄化後1株当たり利益(EPS)は、売上原価減、製品売上高増、および買収によるインプロセス研究開発(IPR&D)費減により2023年同期の1.14ドルに対し、2024年第4四半期は1.42ドルに増加した。
◆ダニエル・オデイギリアドの会長兼最高経営責任者(CEO)のコメント
ギリアドの2024年の第4四半期およびの通期の実績は、ベースビジネスの製品売上高が通年で対前年比8%増、第4四半期で対前年比13%増となり、引き続き非常に好調であった。
この実績を基盤に、2025年夏に見込まれているHIV予防を適応とするレナカパビルの上市が、HIV予防の可能性の広がりを創出するだろう。このHIV領域における可能性と、強力かつ多様なポートフォリオおよび業務効率の改善により、ギリアドは、今後数年で患者さんへのインパクトを拡大しながら、確実に株主に利益を還元していける。