ベーリンガーインゲルハイムは17日、開発中の経口の優先的ホスホジエステラーゼ 4B(PDE4B)阻害剤「ネランドミラスト」について、進行性肺線維症(PPF)/進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF-ILD)を対象とするP3試験(FIBRONEER-ILD試験)において好結果を得たと発表した。主要評価項目であるプラセボと比較した52 週時の努力肺活量(FVC)のベースラインからの絶対変化量(mL)を達成したもの。FVC は、呼吸機能を測定する基準である。
ネランドミラストは、まだ製造販売承認は取得しておらず、安全性と有効性は確立していない。同剤は、FIBRONEERグローバルプログラムの一環として開発されており、同プログラムには特発性肺線維症(IPF)を対象とする FIBRONEER-IPF 試験4と、進行性肺線維症(PPF)/進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF-ILD)を対象とする FIBRONEER-ILD試験の2 つのP3試験が含まれる。
FIBRONEER-ILD 試験は、ネランドミラストが主要評価項目を達成した2つ目のP3試験で、2件のFIBRONEER試験の安全性および忍容性のトップライン結果は、特発性肺線維症(IPF)におけるP2試験結果と概ね一致した。FIBRONEER-ILD試験の有効性および安全性に関する詳細なデータは、2025年第2四半期に発表を予定している。今回の結果に基づき、ベーリンガーインゲルハイムは、ネランドミラストを PF-ILD/PPF治療薬として米国 FDA をはじめとする世界各国の保健当局に新薬承認申請を行う予定である。
◆シャシャンク・デシュパンデベーリンガーインゲルハイム医療用医薬品事業担当取締役のコメント
FIBRONEER-ILD試験の良好なトップライン結果は、進行性の肺線維症に対するネランドミラストの可能性を示している。我々がトップラインデータで目にした安全性および忍容性プロファイルが、治療課題を軽減できる可能性があると期待している。
FIBRONEER臨床試験プログラムの最近のマイルストーンは、この重篤な疾患を抱える患者さんの生活を変革するための取り組みを示すものであり、ベーリンガーインゲルハイムが肺線維症研究の最前線に立っていることを表している。