武田薬品は30日、2024年度第3四半期累計(2024年4月1日~2024年12月31日)の業績を発表し、好調な同業績を反映して2024年度通期見通しを上方修正すると発表した。併せて、上限1000億円の自己株式取得を決定した。1株当たり年間配当金予想は196円(2024年度)。
修正後の通期業績予想は、次の通り(カッコ内は従来予想との増減比)。売上収益4兆5900億円(1100億円増)、営業利益3440億円(790億円増)、、当期利益1180億円(500億円)。
2024年度第3四半期累計業績(4~12月)は、売上収益3兆5282億円(対前年同期比+9.8%増)、営業利益4175億円(86.3%増)、当期利益2111億円(43.5%増)、EPS (円)134(42.1%増)となり、成長製品・新製品が対前年同期比で14.6%の増加(CERベース)となる二桁台%の成長を実現し、継続した伸長をみせた。
研究開発では、後期開発段階プログラムのうち、3つのプログラムのP3試験のデータ読み出しを2025年中に予定するとともに、oveporexton (TAK-861、ナルコレプシータイプ1の治療薬)、zasocitinib(乾癬の治療薬)、rusfertide(希少かつ慢性血液疾患である真性多血症治療薬)の承認申請を2025-2026年度に見込んでいる。
このほかに、さらに次の5つの適応症に対する承認申請も2027-2029年度に実施する想定である。◆zasocitinib(乾癬性関節炎の治療薬)、◆mezagitamab(希少な免疫介在性出血性疾患である免疫性血小板減少症[ITP]と自己免疫により引き起こされる進行性かつ慢性の腎臓病であるIgA腎症治療薬)、◆fazirsiran(α-1アンチトリプシン欠乏症による肝疾患治療薬)、◆elritercept(骨髄異形成症候群[MDS]に伴う貧血への治療薬)
古田未来乃武田薬品チーフ フィナンシャル オフィサーは、「力強い製品ポートフォリオの勢いと効率化プログラムを通じた営業経費の効率化により、一転して売上収益と営業利益の成長を見込む、通期マネジメントガイダンスと財務ベースならびにCoreベースの通期業績予想へ上方修正した」と説明し、「2024年度は、Core営業利益率の上昇を実現できる」見通しを示した。
さらに、「2024年12月開催のR&D Dayで説明した通り、当社は2025年中に3つの第3相臨床試験のデータの読み出しを予定しており、このことは当社の今後の持続的な成長に対する自信を深めるものである。また、今般公表した自己株式取得は、株主還元に対する当社の強い思いの表れである」とコメントした。