メタジェンと自然由来素材の腸内環境影響評価で共同研究開始 ロート製薬

 ロート製薬は15日、メタジェン(本社:山形県)と自然由来素材の腸内環境に対する影響評価に関する共同研究を開始すると発表した。
 昨今、肩こり、頭痛、むくみなどの日常的な不調を抱えている人は増加しており、QOL低下へとつながっている。そこで、日常的な不調や体質の改善を目的とし、自然由来素材である漢方などを用い、個々人の腸内環境に合わせたアプローチの確立に向けた共同研究を開始する。
 メタジェンは、「腸内環境を適切にデザインすることで病気ゼロの実現を目指す」を理念に、腸内環境評価技術「メタボロゲノミクス」を駆使した研究開発支援事業を展開している。
 一方、ロート製薬は、2024年に三井物産らと共同で、シンガポールの漢方薬製造販売企業のユーヤンサン(EYS)の株式取得を行った。
 EYS のアジアにおける強い製品・ブランド力とロート製薬の研究開発・販売力が連携し、ヘルスケア事業における革新的なビジネスの実現を目指す一つの手段として、漢方などの自然由来素材がもたらす腸内環境への影響を評価する研究をメタジェン社と実施することになった。
 今回の共同研究では、メタジェン社の持つin vitro ヒト便培養評価系「MGScreening」を用いて、漢方など十数種類の自然由来素材を一度に評価することで、自然由来素材が腸内環境にどのような影響を与えるのかを網羅的に評価する。
 MGScreeningでは、異なる日本人から提供された複数の便検体を用いてin vitro 培養を実施することで、個人特有の変動の検証が可能となる。
 さらに、同共同研究に当たってメタジェン社は、藤田医科大学と連携して将来的な臨床応用の可能性を見据えて科学的な解析の推進を予定している。
 これらの取組により、メタジェン社の独自技術であるメタボロゲノミクスを用いて漢方などの自然由来素材と腸内細菌叢との関わりの詳細を明らかにできれば、医食同源の根源に迫れる可能性があると考えられる。
 また、自然由来素材による腸内細菌叢変動の詳細をカタログ化することで、個々人の腸内環境に合った層別化ヘルスケアや、腸内環境を適切に制御する腸内デザインの実現に向けた基盤データの取得が期待される。

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