ブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)は24日、細胞療法における18件の期待のポートフォリオを公表し、血液がんにおいて現時点で使用可能な細胞療法の有効性、持続性および安全性とともに、自己免疫疾患を含む新たな適応症へのパイプライン拡大の可能性を示すデータを発表した。
同発表では、複数の解析結果において、白血病および複数のリンパ腫におけるブレヤンジの持続的な有効性および確立された安全性プロファイルが示された。
また、GPRC5D を標的とする CAR T 細胞療法であるarlocabtagene autoleucel(arlo-cel、BMS986393)の初めての生存結果および重篤な難治性の全身性エリテマトーデス患者の免疫を「リセット」する可能性を示した CD19 NEX-T(BMS-986353)のP1試験の最新結果も公表された。
これらの結果は、拡大を続ける疾患領域における新たな標的となる可能性を幅広く検討するもので、カリフォルニア州サンディエゴで開催された第66回米国血液学会(ASH)年次総会で発表された。主な発表は次の通り。
- 大細胞型 B 細胞リンパ腫(LBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)および慢性リンパ性白血病(CLL)/小リンパ球性リンパ腫(SLL)におけるブレヤンジ(一般名:リソカブタゲン マラルユーセル、liso-cel)の持続的な有効性および確立された安全性プロファイルを示す長期解析結果
- LBCLのセカンドライン治療において、従来の標準治療を上回る深い奏効を達成しブレヤンジの優越性を示したp3相TRANSFORM 試験での循環腫瘍DNA(ctDNA)に関する新たなデータ
- 再発または難治性の多発性骨髄腫(RRMM)におけるアベクマ(一般名:イデカブタゲンビクルユーセル、ide-cel)のグローバルな製造生産能力、高い信頼性および迅速な供給を示す新たな解析結果
- RRMM における GPRC5D を標的とするCAR T細胞療法 arlocabtagene autoleucel(arlocel、BMS-986393)の初めての全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)データ
- 全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、特発性炎症性筋疾患および多発性硬化症を含む重篤な難治性の自己免疫疾患患者に意義のある改善をもたらす可能性を示した CD19 NEX-T CAR T細胞療法(BMS-986353/CC-97540)のP1試験最新データ
◆BMSの血液・腫瘍・細胞療法(HOCT)領域後期臨床開発責任者のAnne Kerber氏(シニアバイスプレジデント)のコメント
細胞療法は、我々の業界において最も急速な発展を遂げている治療法の一つである。我々は、細胞療法の可能性を解き放ち、がん患者さんをはじめとするさまざまな疾患の患者さんに革新的な治療をお届けすべく取り組んでいる。
◆BMS HOCT領域グローバル開発プログラムリーダー責任者のBryan Campbell氏(シニアアバイスプレジデント)のコメント
GPRC5D を標的とするCAR T細胞療法の有望な生存結果に関する早期報告は、arlocabtagene autoleucel が再発または難治性の多発性骨髄腫患者さんに対するファースト・イン・クラスの治療薬となる可能性を示唆するものであり、当社の堅調なパイプラインの進展を発表できることをうれしく思う。
CD19 NEX-Tが、重篤な全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患において示している結果は勇気づけられるもので、単回投与によって持続的な無治療寛解をもたらす可能性を裏付けている。