血圧測定中「心房細動の可能性」検出次世代技術開発 オムロン ヘルスケア

 オムロン ヘルスケアは、心電図を記録せずに血圧を測定するだけで不整脈の一種である心房細動の可能性を検出する血圧計搭載アルゴリズム“Intellisense AFib”(インテリセンスエイフィブ)を新たに開発した。 同品は、本年10月に、米国FDAのDeNovo認可を取得している。「心房細動の可能性」を検出する血圧計としては米国初の認可取得となる。
 心房細動は、不整脈の一種で、心原性脳塞栓症の要因のひとつといわれている。日本において心房細動の有病率は年々増加しており、心房細動患者の約4割が自覚症状を伴わない場合がある。
 さらに、高血圧症を有する場合は通常の場合に比べて心房細動の発症リスクが約3倍になることなどがわかっている。
”Intellisense AFib”は、AI技術を用いて開発した血圧計に搭載されるアルゴリズムだ。血圧測定時に取得できる圧脈波データを解析して心房細動の可能性を検出する。圧脈波とは、心臓の拍動により駆出される血液により血管内壁にかかる圧力を意味する。
 正常な人の圧脈波は規則的ですが、心房細動の症状がある場合は圧脈波の形が不規則になる。さらに、圧脈波パターンは人によっても様々で、無数にある。同社は、1973年に血圧計初号機を開発して以来50年間蓄積してきた圧脈波データに関する知見とAI技術を活用して、データ内の脈間隔の変化を詳しく解析することで心房細動の可能性を判別できるアルゴリズム「Intellisense AFib」を開発した。
 このアルゴリズムを搭載した血圧計を使用することで心房細動の発症またはそのリスクを認知していない高血圧患者が、日々の測定をきっかけに心房細動の可能性に気づき、早期発見と治療介入につながる。
 オムロン ヘルスケアは、循環器事業のビジョンとして「脳・心血管疾患の発症ゼロ(ゼロイベント)」を掲げ、心房細動の早期発見に取り組んでいる。心房細動は危険な不整脈の一種で、心不全や脳梗塞といった疾患の発症(イベント)を引き起こすリスクがある。
 重症化を防ぐには早期発見が重要であるが、無症状なことも多く、また症状が発作的に起こることで見過ごされやすいことが課題だ。特に、高血圧の人は心房細動のリスクが高いため注意が必要だといわれている。
 オムロン ヘルスケアは、いち早く心房細動の可能性に気づけるように、誰もが家庭で簡便に血圧測定や心電図を記録できるデバイスやサービスを展開している。

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