武田薬品は31日、本年5月9日に公表した2025年3月期の通期連結業績予想を次の通り上方修正すると発表した(カッコ内は増減額)。
売上収益4兆4800億円(1300億円増)、営業利益2650億円(400億円増)、税引前当期利益930億円(380億円増)、親会社の所有者に帰属する当期利益680億円(100億円増)、基本的1株当たり当期利益43円03銭(36円70銭)。
Core売上収益4兆4800億円(1300億円増)、Core営業利益1兆0500億円(500億円増)、Core EPS456円(431円)
修正理由は、売上収益では、当初公表予想から1300億円増収(+3.0%)の4兆4800億円に上方修正した。これは主に、米国のADHD治療剤「ビバンセ」について、独占販売期間満了後の後発品の市場浸透が当初想定よりも緩やかで、その他製品が好調に推移。前提為替レートの見直しによる為替影響が全体として増収に寄与する見込みになったためである。Core売上収益についても、財務ベースの売上収益と同様の修正を行った。
営業利益は、後発品の市場浸透が緩やかである米国のビバンセの増益影響を反映し、当初公表予想から400億円増益(+17.8%)の2650億円に上方修正した。この増益影響は、その他製品に係る減益影響、営業経費の増加影響、および為替影響により一部相殺される見込みである。
武田薬品の中核事業の本質的な業績に関連しない事象による影響を控除したCore営業利益は、当初公表予想から500億円増益(+5.0%)の1兆0500億円に上方修正した。
当期利益(親会社の所有者帰属分)は、当初公表予想から100億円増益(+17.2%)の680億円に上方修正した。税引前当期利益は、主に営業利益の増益修正により、380億円増益(+69.1%)の930億円となることを見込んでいる。
この税引前当期利益の増益影響は、主に繰延税金資産の評価減による税金費用の増加により一部相殺される見込みである。実効税率は約27%を前提としている。
財務ベースのEPSは、6円33銭増加(+17.2%)の43円03銭、Core EPSは、26円増加(+5.9%)の456円を見込んでいる。