エーザイは16日、筋萎縮性側索硬化症用剤「ロゼバラミン」のバイアル用遮光包装について、2024年度グッドデザイン賞を受賞したと発表した。
同製品は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)に係る適応で本年9月24日に承認された注射剤である。薬効成分はメコバラミンであり、投薬時に溶解液を注入して溶解する凍結乾燥製剤として開発された。
メコバラミンは光に対し化学的に著しく不安定であり、流通・保管から投与直前まで、PETフィルムにアルミ蒸着を施した一般的な遮光フィルム(アルミ蒸着PET)よりも高い遮光性が要求される。
一方で、「使用時には中の薬液を目視で確認できる」、「注射筒を用いて薬液を抜き取る時に針先を目視できる」といった、視認性も求められる。
同製品では、アルミ蒸着PETに黒印刷を施し、より遮光性の高い包装を実現した。バイアル全面を遮光包装で覆った一方で、視認性も確保するために、薬液を目視できる開閉窓を施し、バイアルの首部分のフィルムを剥がせる仕様とした。また、フィルムにはミシン目を加えず、高い遮光性の維持を図った。
これらにより、高い遮光性(隠す)と視認性(見える)の相反する課題を解決したことが、今回の選考においても評価された。同包装は株式会社ILファーマパッケージング(本社:愛知県)との共同開発したものであり、同社と連名で受賞した。