アトピー性皮膚炎の治療薬「イブグリース」 2024年度グッドデザイン賞受賞 日本イーライリリー

 日本イーライリリーは、アトピー性皮膚炎治療薬「イブグリース(抗ヒトIL-13モノクローナル抗体製剤)」について、16日に2024年度グッドデザイン賞を受賞したと発表した。
 「グッドデザイン賞」とは、日本デザイン振興会が主催する国内唯一の総合的なデザイン評価の制度だ。イブグリースのデバイスは、患者目線で設計されている点について特に評価され、今回の受賞に至った。
 イブグリースは、本年5月に発売された既存治療で、効果が不十分な人を対象としたアトピー性皮膚炎の治療薬である。今回受賞した「イブグリース皮下注 250mg オートインジェクター」は、病院で使用される注射器としてだけでなく、患者自身が自宅で安心して投与ができるように設計された1回使い切りのペン型デバイスである。
 同デバイスの操作は簡単で、「キャップを取り外し」、「注射部位に同デバイスを固定してロックを解除」、「注入ボタンを押して15秒待つ」という3ステップのみで薬液が自動的に注入するというもの。
 また、注入針が見えない構造のため、患者が自身で投与をする際の恐怖感を和らげる。
 同デバイスは、2015年度に「グッドデザイン金賞」を受賞した2型糖尿病治療薬「トルリシティ」をベースに、さらなる利便性と安全性を追求して開発された。利便性においては、トルリシティの1回投与量(0.75mg)より多い投与量(250mg)に対応しているため、イブグリースを投与する際にはデバイスを複数用意する必要がない(初回及び2回目の投与は1回500mgのため2本、3回目以降は1回250mgのため1本が必要)。
 また、灰色のベースキャップとロックリングに操作手順を記載することで、より分かりやすい操作性を提供している。
 安全性においては、ロックボタンを設けることにより、誤操作のリスクを低減している。さらに、皮膚との接触面をより大きくすることにより、患者自身が正確な角度で確実に注射ができるよう改良されている。

◆2024年度グッドデザイン賞審査委員の評価コメント
 同製品は、アトピー性皮膚炎の治療薬における新たな選択肢として開発されたオートインジェクターである。患者さんが安心・安全に自己注射できるよう丁寧に配慮されたデザインは審査委員一同より高く評価された。たゆまぬ工夫を重ねられている関係者の皆様には深く敬意を表したい。

◆ロータス・モールブリス日本イーライリリー自己免疫事業本部長のコメント
 イブグリースはアトピー性皮膚炎の治療薬として、早期(治療反応は、通常投与開始から16週までには得られる)から3年(152週)の長期にわたり持続する効果が認められている。このような薬剤の効果は、確実な投与によりもたらされる。本デバイスは、患者さんご自身が投与することも想定に入れ、患者さんの負担を最小限に抑えられるよう設計した。そのため、今回、本デバイスがこの様なかたちで評価されたことを、大変嬉しく思う。

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