フリュザクラ 治癒切除不能な進行・再発の大腸がんで国内製造販売承認取得 武田薬品

 武田薬品は24日、 経口のチロシンキナーゼ阻害剤 「フリュザクラ」について、「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」を効能・効果として、厚労省より製造販売承認を取得したと発表した。
 フリュザクラは、3つすべてのVEGF受容体(1/2/3)に対する選択性を有する経口阻害剤である。VEGFR阻害剤は、腫瘍血管新生の阻害において極めて重要な役割を果す。フリュザクラは、標的外のキナーゼ活性を最小限に抑えることにより、高い選択性を有するようデザインされており、持続的な標的阻害を成し遂げる薬物曝露を可能とし、併用療法の一部として使用する柔軟な可能性を有している。
 今回の承認は主に、米国、欧州、日本およびオーストラリアで実施された国際共同P3試験(FRESCO-2試験)の結果に基づくもの。同試験では、前治療歴を有する転移性大腸がん患者を対象としてフルキンチニブ+最良の支持療法(BSC:Best Supportive Care)群とプラセボ+BSC群を比較検討した。FRESCO-2試験は、有効性に関して主要評価項目および重要な副次評価項目をすべて達成し、前治療の種類にかかわらず、フルキンチニブの投与を受けた患者で一貫したベネフィットが示された。
 フルキンチニブはFRESCO-2試験において管理可能な安全性プロファイルを示した。投与中止に至る有害事象の発現率は、プラセボ+BSC群では21%であったのに対し、フルキンチニブ+BSC群では20%であった。FRESCO-2試験のデータは、2023年6月にThe Lancet誌に掲載された。

◆FRESCO-2試験運営委員を勤めた吉野孝之国立がん研究センター東病院副院長(研究担当)、医薬品開発推進部門長、 消化管内科医長のコメント
 近年、早期スクリーニングや治療進歩により、大腸がんの死亡率は低下してきているものの、転移性大腸がんの5年生存率は依然として低く、新たな治療選択肢の登場が待ち望まれている領域である。今回のフリュザクラの日本における承認は、転移性大腸がんの患者さんやご家族、そして大腸がん治療にあたっている医療関係者双方にとって新たな希望であり、臨床的意義が高いと感じている。

◆テレサ・ビテッティ武田薬品グローバル オンコロジー ビジネス ユニットのプレジデントのコメント
 当社は日本において、10年以上にわたり転移性大腸がんの治療の進展に取り組んできた。フリュザクラの承認取得により、日本の転移性大腸がんの患者さんにより一層貢献できるようになる。日本、米国・欧州などの国々における承認取得により、新たな治療選択肢を待ち望まれている世界中の大腸がん患者さんに本治療薬をお届けできるよう、引き続き尽力していく。

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