アンジェスは18日、米国で末梢動脈疾患治療薬として開発中の遺伝子治療用製品「コラテジェン」について、米国FDAよりブレイクスルーセラピー(画期的新薬)に指定されたと発表した。
ブレイクスルーセラピーの指定制度は、FDAが重篤な疾患や生命を脅かす疾患の治療を目的とした薬剤の開発と審査を迅速化するために設計したもの。同指定の応需により、臨床試験の結果から既存の治療法よりもコラテジェン投与による顕著な改善を示す可能性が認められた。
末梢動脈疾患は世界中で2億人が罹患し、複雑な病態を示し、潰瘍、感染症、最終的には下肢切断など極めて重篤な合併症を引き起こす可能性がある。南カリフォルニア大学医学部のDavid Armstrong教授らの報告によると、がんと比較した場合、下肢の大切断(足首より近位)後の5年死亡率57%で、肺がん80%に次ぐものである。
このような予後の悪い、血行再建術を必要としない虚血性潰瘍を有する末梢動脈疾患に対して比較的初期段階からコラテジェンで治療を開始することで、潰瘍の治療、下肢切断までの期間を延長し、将来の患者のQOLの向上に繋がることが期待される。グローバルにコンセンサスが得られている治療ガイドラインでも早期から治療を推奨している。
なお、今回のブレイクスルーセラピーの指定に伴う当連結会計年度におけるアンジェスの連結業績予想に変更はないものの、同件により「コラテジェン」の開発が加速するため、同社の中期的な企業価値向上に資するものと考えられる。