日本マススクリーニング学会学術集会で「若手優秀演題賞」受賞 アンジェス

 アンジェスは3日、8月23日~24の2日間、熊本で開催された第51回日本マススクリーニング学会 学術集会において、同社が運営するアンジェスクリニカルリサーチラボラトリー(ACRL)の研究員が発表を行い、「若手優秀演題賞」を受賞したと発表した。
 同発表は、ACRLにおいて実施している拡大新生児スクリーニング検査におけるムコ多糖症の陽性者に対する二次スクリーニングについての研究結果を発表したもの。
 拡大新生児スクリーニングにおけるムコ多糖症の陽性者はおおよそ 1000~2000人に一人の割合で発見される。だが、その後の精密検査で実際にムコ多糖症であると判明するのはそのうちの数十人のうち一人しかいない。
 この精密検査は、対象となる被験者が新生児であることから、その検体である尿や血液の採取は被験者やその両親と医療関係者双方に負荷がかかっている。また、生後間もない我が子が遺伝学的検査を受けることは、両親にとって精神的な負担が大きい。
 同社の研究員は、この両者の負荷をなるべく軽減するため、スクリーニング検査で使用したろ紙血を使用して、ムコ多糖症である可能性の高い被験者を選別する二次スクリーニングの方法を開発した。この二次スクリーニングを実施することで、これまで拡大新生児スクリーニングで陽性となり、精密検査の結果ムコ多糖症ではないと診断される偽陽性の被験者を10分の1以下に減らすことが可能となる。
 これは、即ち精密検査の検体を採取する被験者やそのご両親、医療関係者の数を減らすこととなり、両者にとって大きなメリットになる。学会での発表後、多くの医療関係者からこの二次スクリーニングの開始時期を質問され、ムコ多糖症における偽陽性が多くの医療関係者の負担になっていることを改めて確認された。
 ACRLでは、この二次スクリーニングを 2025 年の早い時期には受託できるよう、準備を進めていく。また、ムコ多糖症以外のライソゾーム病についても、ろ紙血を使用した二次スクリーニング方法の開発に取り組んでいる。

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