ファイザーは8月30日、沈降20価肺炎球菌結合型ワクチン「プレベナー20水性懸濁注」を同日発売したと発表した。
同剤は、ファイザーの沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン「プレベナー13」に7血清型(1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、33F)を加えたことで、近年臨床上で問題となっている新たな血清型へに対応できるもの。
肺炎球菌感染症の原因血清型を幅広くカバーし、肺炎球菌感染症をより広く予防することが期待される。小児および成人を対象とした日本の医療経済学の研究では、同剤の導入により、医療費の大幅な削減に繋がる可能性が示されている。
なお、プレベナー13は、今後市場から引き上げ、9月30日をもって販売を終了する。
肺炎球菌感染症は、肺炎球菌により引き起こされる疾患群であり、菌血症、敗血症、髄膜炎などの侵襲性感染症のほか、肺炎や中耳炎などの非侵襲性疾患(局所感染症)が含まれる。
肺炎球菌感染症は、ワクチンで予防できる疾患(VPD:Vaccine Preventable Diseases)のひとつとされているが、侵襲性肺炎球菌感染症は依然として存在しており、小児、成人ともに、プレベナー13には含まれない血清型による肺炎球菌感染症罹患率の絶対的増加が認められている。
◆藤本陽子ファイザー取締役執行役員ワクチン部門長のコメント
本日、プレベナー20水性懸濁注を発売できたことをたいへん嬉しく思う。ファイザーは、肺炎球菌感染症予防に20年以上にわたり取り組んでいる。2000年の米国でのプレベナー発売を皮切りに、本邦では2010年にプレベナー水性懸濁皮下注、2013年にプレベナー13水性懸濁注を発売し、継続的に安定供給を行ってきた。
2013年4月にプレベナー13が小児の領域で定期接種化され接種が進んだことで、小児の侵襲性肺炎球菌感染症は着実に減少している。プレベナー20は、小児領域での定期接種に使用されるワクチンとして、厚労省が本年7月31日に開催した第57回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会において了承され、本年10月1日から定期接種における使用が決定している。
当社は、今後とも、肺炎球菌感染症予防の活動で培ってきた長年の蓄積と経験を活かし、プレベナー20を必要とする方々に確実にお届けできるよう安定供給に努め、医療従事者への適正使用情報の提供や一般の皆さまへの疾患啓発活動を通じ、高齢者から小児まで、肺炎球菌感染症のリスクから守ることに貢献していく。