てんかん発作に対する抗けいれん薬「ジアゼパム点鼻液」 製造販売承認申請 アキュリスファーマ

 アキュリスファーマは2日、てんかん発作に対する抗けいれん薬「ジアゼパム点鼻液」について、製造販売承認申請を行ったと発表した。対象は、てんかん重積状態を有する、またはてんかん重積状態に移行する恐れのあるけいれん発作を有する患者。
 なお、ジアゼパム点鼻液は希少疾病用医薬品の指定を厚労省より受けている。承認されれば、国内で初めての経鼻投与型抗けいれん薬となり、また成人においては初めての医療機関外で投与可能なレスキュー薬となる。
 レスキュー薬とは、てんかん発作が起こった時に、発作を止めるために介助者またはそれに代わるものが緊急的に投与する治療薬を意味する。
 今回の承認申請は、多施設共同国内P3試験、国内P1試験、および海外臨床試験の結果に基づくもの。

◆ジアゼパム点鼻液国内P3試験の統括責任医師の中川栄二氏(国立神経・精神医療研究センター副院長/てんかん診療部長/総合てんかんセンター長)のコメント
 2023年に実施した調査では、小児てんかん患者の介護者が医療機関外でのてんかん発作に対し、効果発現が早く簡便に使用できる薬剤を求めていることがわかった。また、国内で使用できる医療機関外で投与可能なレスキュー薬は小児が対象で、18歳以上の患者が使用できる薬剤はまだない。
 海外においてジアゼパム点鼻液は、既に小児および成人でも有効性・安全性が検証されており、本邦においても本剤が幅広い年齢に使用できることが望まれる。

◆谷垣任優アキュリスファーマ代表取締役社長のコメント
 多くのてんかん患者さんは、適切な治療によって通常の社会生活を送ることが可能であるが、薬物治療で発作のコントロールが難しい難治性てんかんの患者さんは2割~3割存在する。
 発作が異常に長引いたり、何度も繰り返す重積状態に至ると、脳へのダメージや長期的な神経学的後遺症を引き起こすため、速やかな治療介入が極めて重要とされている。
 ジアゼパム点鼻液は有効性と安全性が臨床試験によって確認されていることに加えて、経鼻投与製剤というてんかん発作に対して簡便に使用できる剤形により、自宅や外出先など医療機関外での緊急治療に寄与し得ると期待している。
 ジアゼパム点鼻液を一日も早く日本の患者さん・ご家族にお届けできるよう、承認取得に向け引き続き取り組んでいく。

タイトルとURLをコピーしました