武田薬品は28日、抗サイトメガロウイルス化学療法剤「リブテンシティ」(一般名:マリバビル)について、同日、日本で発売したと発表した。効能・効果は、臓器移植(造血幹細胞移植も含む)における既存の抗サイトメガロウイルス療法に難治性のサイトメガロウイルス感染症。薬価は、リブテンシティ錠200㎎3万7536.20円。
リブテンシティは、経口投与可能なpUL97キナーゼとその天然基質を標的として阻害する最初で唯一の移植後サイトメガロウイルス(Cytomegalovirus、CMV)感染症に対する化学療法剤である。主に造血幹細胞移植(hematopoietic stem cell transplant、HSCT)または固形臓器移植(solid organ transplantation、SOT)後で既存の抗CMV治療に難治性のCMV感染・感染症を対象とした海外P3相非盲検試験(SOLSTICE 試験、NCT02931539)および日本人のHSCTまたはSOT後でCMV 感染・感染症を対象とした国内P3相非盲検試験(NCT05137717)に基づいて2023年11月7日に厚労省に製造販売承認申請を行い、これらの試験において有効性・安全性が確認され、本年6月24日に製造販売承認を取得した。
◆百合田剛史武田薬品ジャパン ファーマ ビジネス ユニット希少疾患事業部長のコメント リブテンシティを既存のCMV療法に難治性のCMV感染症を有する患者さんに新しい治療選択肢としてお届けできることを嬉しく思う。移植後の患者さんはCMVに感染すると大きな負担となり、適切に治療されなければ二次感染や臓器の喪失などの深刻な合併症につながる。移植という身体的、精神的、社会的な負担が決して小さいとはいえない治療法を選択された患者さん、さらにその患者さんを支えるご家族皆さんに対し、少しでも不安の少ない生活をお届けできるよう、全社一丸となって尽力していく。