キイトルーダ 非小細胞肺がん術前・術後補助療法の適応追加承認取得 MSD

 MSDは28日、抗PD-1抗体「キイトルーダについて、国内で非小細胞肺がんにおける術前・術後補助療法の適応追加承認を取得したと発表した。
 肺がんは、日本では2019年に約12.7万人が新たに診断され、2020年には約7.6万人が死亡しており、がんによる死亡原因の第1位となっている。また、肺がんは非小細胞肺がん(NSCLC)と小細胞肺がん(SCLC)に大別されるが、NSCLCが大部分を占め、その中には腺がん、扁平上皮がん、大細胞がんなどが含まれている。
 NSCLCは、比較的早期のステージでは治癒を目的とした外科手術が行われているが、手術を行っても再発する場合もあり、再発を防ぐための新たな治療の選択肢が求められていた。
 今回の承認は、臨床病期II期、IIIA期またはIIIB期(T3-4N2)の周術期の非小細胞肺がん患者797例(日本人82例を含む)を対象とした国際共同P3試験(KEYNOTE-671試験)の結果に基づくもの。同試験において、キイトルーダと化学療法との併用による術前補助療法と、その後の切除とキイトルーダ単独療法による術後補助療法は、プラセボと化学療法との併用による術前補助療法と、その後の切除とプラセボによる術後補助療法と比較して、全生存期間(OS)および無イベント生存期間(EFS)を有意に延長した(OS: HR=0.72 [95% CI, 0.56-0.93]; p=0.00517, EFS: HR=0.58 [95% CI, 0.46-0.72]; p<0.00001)。
 安全性については、安全性解析対象例396例中383例(96.7%)(日本人39例中39例を含む)に副作用が認められた。主な副作用(20%以上)は、悪心216例(54.5%)、好中球数減少169例(42.7%)、貧血143例(36.1%)、白血球数減少111例(28.0%)、疲労108例(27.3%)、便秘107例(27.0%)および食欲減退92例(23.2%)であった。

タイトルとURLをコピーしました