エーザイは23日、ヒト化抗ヒトアミロイドβ(Aβ)モノクローナル抗体「レケンビ」について、英国の医薬品医療製品規制庁(MHRA)よりにおいて早期アルツハイマー病治療剤として承認を取得(北アイルランドを除く)したと発表した。
対象は、ApoEε4ステータスがヘテロ接合体または非保有である成人におけるアルツハイマー病(AD)による軽度認知障害(MCI)または軽度認知症。
同剤は、AD の根本原因を標的とした、欧州で承認された初めての早期 AD(AD による MCI または軽度認知症)治療剤となる。レケンビは、毒性の高い Aβ凝集体(プロトフィブリル)に選択的に結合するとともに、Aβプラークの主要構成成分である Aβ凝集体(フィブリル)にも結合し、脳内の Aβプロトフィブリルおよび Aβプラークを減少させると考えられている。
今回の承認は、エーザイが実施したプラセボ対照、二重盲検、平行群間比較、無作為化グローバルP3試験(Clarity AD試験)のデータ等に基づくもの。同試験でレケンビは主要評価項目(18 カ月時点の CDR-SB [Clinical Dementia Rating Sum of Boxes]のベースラインからの変化)とすべての主要な副次評価項目を統計学的に有意な結果をもって達成した。
英国において適応となる対象集団において、レカネマブ投与群で最も多く見られた有害事象は、Infusion reaction、アミロイド関連画像異常(ARIA)による ARIA-H、転倒、頭痛、およびARIA-Eであった。
英国における認知症の当事者数は98.2万人と推定されており、そのうち約6~7割はADであると見積もられている。AD当事者数は、今後高齢化の進展と共に増加していくと考えられている。
エーザイは、英国国立医療技術評価機構(National Institute for Health and Clinical Excellence:NICE)およびスコットランド医薬品コンソーシアム(Scottish Medicines Consortium: SMC)、な らびに英国国民保健サービス(National Health Service: NHS)と協力して、AD 当事者に同剤をできるだけ早く提供できるよう取り組んでいく。
エーザイは、同剤の開発および薬事申請をグローバルに主導し、エーザイの最終意思決定権のもとで、エーザイとバイオジェンが共同商業化・共同販促を行う。英国においては、エーザイが販売を行い、両社共同で情報提供活動を行う。