豪州Monash大学と自己免疫疾患・炎症性疾患領域の抗GPCR抗体創製で研究提携契約締結 小野薬品

 小野薬品は1日、豪州のMonash大学Gタンパク質共役受容体(GPCR)を標的とした抗体創製において新たなオプション権付き研究提携契約を締結したと発表した。抗GPCR抗体の創製は、自己免疫疾患および炎症性疾患の新規治療薬の創製を目的としたもの。GPCRは最大の細胞表面受容体タンパク質ファミリーで、ヒトゲノム中に約800種存在する。GPCRを標的とした治療薬は、多くの疾患領域で主要な薬剤クラスを構成している。
 同社は、昨年1月にMonash大学と抗GPCR抗体を創製するためのオプション権付き研究提携契約を締結している。同契約は、前回の契約とは異なるGPCRの標的分子に対する新たな抗体創製を目的としている。
 前回の契約と同様、同契約の締結に基づき、Monash大学のBiomedicine Discovery Instituteは、これまで標的とすることが困難であったGPCRを標的とする新たな抗体を創製する。
 小野薬品は、Monash大学が創製する複数の抗体の中から、当社が選択する抗体を用いて創製した抗体医薬品を全世界で独占的に開発・商業化するためのオプション権を保有する。同社は、Monash大学に対し、契約一時金とオプション期間中の研究資金を支払うとともに、小野薬品がオプション権を行使した場合は、開発および販売の進捗に応じたマイルストン、ならびに上市後の売上高に応じたロイヤルティを支払う。

◆勝又清至小野薬品執行役員研究本部長のコメント
 当社は、前回の契約に基づいて進めている研究プロジェクトを通じて、Monash大学が保有する抗GPCR抗体の創製技術がこれまで克服することが困難であった課題の解決につがる高度なものであることを確認した。
 今回のMonash大学との本契約により創製される新たな抗GPCR抗体が、前回の提携で検討中の疾患とは異なる自己免疫疾患や炎症性疾患のアンメットメディカルニーズを満たすGPCRの新規の標的分子に対する抗体医薬品の創製に繋がることを期待している。

◆Remy Robert Monash大学、Biomedicine Discovery Institute准教授のコメント
 小野薬品と新たな契約を締結し、引き続き抗GPCR抗体の創製に関する私たちの専門知識と、医薬品開発における小野薬品の卓越した能力を統合できることをうれしく思う。
 前回の提携開始から18カ月間にわたり小野薬品と築いてきた強固な連携により、様々な疾患に対する治療法の進展を加速できたと確信している。

◆Alison Greenway Monash大学Medicine, Nursing and Health Sciences部門の企業およびパートナー担当シニア・ディレクターのコメント
 この新たな提携は、新しい治療法の開発を加速させるために、業界の主要なパートナーと協働する創薬研究提携の素晴らしい事例であることを示している。

タイトルとURLをコピーしました