sparsentan 日本で IgA腎症に対するP3試験第1例目の投与開始 レナリスファーマ

 レナリスファーマは18日、sparsentanについて、IgA腎症に対する国内P3試験において最初の被験者への投与を開始したと発表した。
 同試験は、本年4月に治験届を提出した日本人の IgA腎症患者を対象とした多施設共同、非盲検、単群試験で、約30名の日本人患者において、sparsentan の有効性及び安全性を確認する目的で実施しており、2025年後半に尿蛋白/クレアチニン比の評価結果を得る予定である。
 SparsentanはTravereが開発し、レナリスファーマが日本、韓国、台湾、ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムでの独占的開発・商業化に関するライセンスを有している。
 慢性腎臓病及び末期腎不全患者の管理は、日本の医療制度に大きな負担をもたらしており、社会的課題となっている。IgA腎症は、腎不全の主な原因の一つとして広く知られており、同症を原因として末期腎不全(透析)に移行する患者が絶えない。
 IgA腎症は、異常IgAタンパクが腎臓組織に沈着することで、腎臓の機能を阻害し、炎症を引き起こすことにより発症すると考えられている。だが、未だに発症や重症化の機序については未解明な点が多い希少難病(難病指定 66)である。現状、日本においては、IgA 腎症に対する明確な治療法が乏しく、アンメットニーズが存在している。
 Travereは、2023年にsparsentan(米国商品名:FILSPARI)について、「急速に病勢進行のリスクがある原発性 IgA腎症の成人患者における蛋白尿の減少」を効果・効能として FDA の迅速承認を得ている。
 さらに、Travereは2024 年 3 月、IgA 腎症患者を対象とした対照薬との直接比較試験であるP3試験(PROTECT試験)の2年間の結果に基づき、米国での既存の迅速承認から本承認への変更を求める医薬品承認事項変更申請をFDA に提出し、現在優先審査指定品目として審査を受けている。
 PROTECT 試験においてFILSPARIは、対照薬であるイルベサルタンと比較して、蛋白尿の有意な減少、腎機能の維持、忍容性の高い安全性プロファイルを示した。
 レナリスファーマは、腎臓病管理の改善を可能とする革新的な治療薬の開発を通じて、日本及びアジアの患者の生活の向上に貢献すべく、sparsentanを一日も早く届けることを目指し、事業を推進していく。

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