ウパダシチニブ 米国で多関節型若年性特発性関節炎・乾癬性関節炎対象に2歳以上投与の適応拡大 アッヴィ

 アッヴィは5日、ウパダシチニブについて、米国で多関節型若年性特発性関節炎および乾癬性関節炎の2歳以上の小児患者への投与の適応拡大承認を取得したと発表した。
 対象は、1種類以上の腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬に対して効果不十分または不耐容であった多関節型若年性特発性関節炎(pJIA)および乾癬性関節炎(PsA)の2歳以上の患者。
 また、これらの小児患者には、新たに体重に基づき用量設定するウパダシチニブの経口内服液の選択肢も追加された。
 今回の適応追加承認は、ウパダシチニブの錠剤および内服液の承認は、関節リウマチ(RA)およびPsAの成人患者さんを対象としたウパダシチニブの比較対照試験から得られたエビデンス、RAおよびPsAの成人患者さんならびにpJIAの小児患者さん51名から得られた薬物動態データ、さらにpJIAの2歳以上18歳未満の小児患者83名から得られた安全性データに基づくもの。
 pJIAおよびPsAの小児患者に推奨用量のウパダシチニブを投与したときの血漿中曝露量は、母集団薬物動態モデリングおよびシミュレーションに基づき、RAおよびPsA成人患者で認められた血漿中曝露量と同等であると予測される。
 米国内では、30万人近くの小児および青年がpJIAおよびPsAを含む若年性特発性関節炎に罹患している。pJIAは、16歳未満の小児および青年で5か所以上の関節炎が少なくとも6週間続くことを特徴とする。
 PsA型の若年性特発性関節炎は、関節炎および乾癬を伴う皮膚病変の両方を特徴とする。これらの慢性疾患は痛みを伴う消耗性の関節炎であり、未治療のまま放置すると関節の損傷を引き起こす可能性がある。
 治療は進歩しているものの、多くの若年性特発性関節炎の患者にとって長期寛解の達成は依然として困難であり、およそ半数の患者さんが成人期まで継続的な治療を必要とする。

◆Roopal Thakkarアッヴィsenior vice president兼chief medical officer, global therapeutics(M.D.)のコメント
 ウパダシチニブはさまざまなリウマチ性疾患の治療において重要な役割を果たし、成人患者さんの疾患コントロールに貢献してきた。今回、当社として最年少の小児患者さんへウパダシチニブの錠剤および内服液を提供できることを大変光栄に思う。

◆Aarat Patel氏(セントメアリーズ病院のボンセクールリウマチセンターおよびバージニア大学小児病院小児科 成人・小児リウマチ科、M.D.)のコメント
 pJIAおよびPsAの小児患者さんは、日常の身体的な作業を行うことや日常生活を送ることが著しく制限されてしまう可能性がある。現在の患者さんのニーズを理解し、成人期まで疾患が続く可能性を知ることは、新たな治療選択肢の必要性をより高める。TNF阻害薬で十分な効果が得られない患者さんに治療選択肢を提供することにより、医療業界、患者さん、そして患者さんのご家族のニーズに応えることができるだろう。

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