武田薬品は24日、抗サイトメガロウイルス化学療法剤「リブテンシティ」について、日本で製造販売承認を取得したと発表した。
対象は、臓器移植(造血幹細胞移植も含む)における既存の抗サイトメガロウイルス療法に難治性のサイトメガロウイルス感染症。
リブテンシティは、経口投与可能なpUL97キナーゼとその天然基質を標的として阻害する最初で、唯一の移植後サイトメガロウイルス(CMV)感染症に対する化学療法剤である。
今回の承認は、主に造血幹細胞移植(HSCT)または固形臓器移植(SOT)後で既存の抗CMV治療に難治性のCMV感染・感染症を有する患者を対象とした海外P3相非盲検試験(SOLSTICE 試験、NCT02931539)および日本人のHSCTまたはSOT後でCMV 感染・感染症を有する患者さんを対象とした国内P3相非盲検試験(NCT05137717)に基づくもの。
SOLSTICE 試験(マリバビル群235例、既存の抗CMV治療群117例)において、リブテンシティは、主要評価項目である投与開始後8週時点のCMV血症消失において既存の抗CMV治療群と比較して統計学的に有意な差が検証された。副作用発現頻度は60.3%(141/234例)であった。
また、国内P3相非盲検試験では、同剤が投与された41例のうち既存の抗CMV治療に難治性のCMV感染・感染症を有する患者3例において、主要評価項目である投与開始後8週時点のCMV血症消失の割合は33.3% (1/3例)で、同剤が投与された41例の患者さん全体の副作用発現頻度は36.6%(15/41例)であった。
2024年6月現在、リブテンシティは、主要市場である米国、カナダ、オーストラリア、欧州連合、中国、日本を含む30を超える国で承認されている。
◆梶井靖武田薬品R&D Japanリージョンヘッドのコメント
既存のCMV療法に難治性のCMV感染症への新しい治療選択肢として、リブテンシティが承認されたことをうれしく思う。移植後の患者さんは、CMVに感染すると大きな負担となり適切に治療されなければ臓器拒絶反応や入院率の増加などの深刻な合併症につながる。
リブテンシティが患者さんの負担軽減の一助となり、移植後CMV感染症の治療状況が改善されることを望みたい。