アステラス製薬は12日、胃がん治療剤「ビロイ」(一般名:ゾルベツキシマブ、遺伝子組換え)を、同日、日本において発売したと発表した。
効能・効果は、CLDN18.2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃がん。ビロイは、同適応症として世界で初めて発売する抗CLDN18.2モノクローナル抗体となった。
胃がんの初期ステージの症状は他の一般的な胃関連疾患の症状と似ているため、進行期または転移期になって初めて胃がんと診断されることがよくある。胃がんに対する治療は大きな進歩を遂げているものの、依然として日本では3番目に死亡率が高く、2022年に12万6724人が胃がんと診断されている。
ビロイ 投与においては、アステラス製薬が提携するロシュ・ダイアグノスティックスが、ビロイによる治療が有益と考えられるCLDN18.2陽性の胃がん患者を同定するために、ビロイの免疫組織化学染色コンパニオン診断薬(Companion diagnostics:CDx)として開発し、承認を取得しているベンタナ OptiView CLDN18(43-14A)が使用される。この検査は、日本において複数の検査機関を通じて利用可能となり、順次拡大される予定である。
なお、アステラス製薬は複数の国と地域の規制当局にゾルベツキシマブの承認申請を提出しており、当局で審査中である。
また、同件によるアステラス製薬の業績への影響は、通期(2025年3月期)連結業績予想に織り込み済みである。