ベレキシブル 米国での中枢神経系原発リンパ腫対象P2試験初回投与群患者登録完了 小野薬品

 小野薬品は21日、米国進出の橋頭堡となるブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤「ベレキシブル」ONO-4059について、米国の再発又は難治性の中枢神経系原発リンパ腫(PCNSL)患者を対象に同剤の安全性と有効性を評価するP2試験(PROSPECT試験)の最初の投与群(Part A)において、登録目標患者数に達し、患者登録を完了したと発表した。
 PROSPECT試験の最初の投与群(PartA)では、高用量メトトレキサートを含むレジメンでの治療歴を有する再発又は難治性のPCNSL患者を対象にチラブルチニブの安全性と有効性を評価する。今回、PartAの患者登録は終了した。
 小野薬品は、引き続き、新たに診断された治療歴を有しないPCNSL患者のファーストライン治療としてチラブルチニブと高用量メトトレキサートを含むレジメン2種類のうちどちらか1つとの併用療法を評価する2番目の投与群(Part B)での患者登録を行っている。
 PCNSLは、希少疾患で悪性度の高い節外性非ホジキンリンパ腫であり、生存率が低い。PCNSLは脳、その保護膜、脊髄、眼球に影響を及ぼすが、診断時に全身性の病変はない。米国におけるPCNSLの発生率は年間100万人当たり約5人であり、65歳以上に好発する。
 チラブルチニブは、小野薬品が創製した選択性の高い経口BTK阻害剤である。2023年3月に米国FDAより、PCNSLの治療薬としてオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)の指定を受けている。チラブルチニブは、日本、韓国および台湾で「再発又は難治性の中枢神経系原発リンパ腫」の効能又は効果で承認されている。

◆出光清昭小野薬品常務執行役員/開発本部長のコメント
 PCNSLと診断された患者さんは不安を感じており、米国でPCNSLに対する治療選択肢が必要とされている。米国でのP2試験のPart Aへの患者登録完了は、米国の再発又は難治性のPCNSL患者さんに新たな治療選択肢を提供するための重要な一歩である。本臨床試験にご参加いただいた皆様に心から感謝している。

◆伊藤邦彦ONO PHARMA USA社長兼CEOのコメント
 小野薬品にとって、今回の患者登録の完了は米国での臨床試験プログラムの構築において重要なマイルストンである。小野薬品は、数十年にわたりがん治療の革新に取り組んできた。この取り組みは、世界中の患者さんの治療パラダイムを変革してきた。
 さらに、米国でのPCNSLに対するチラブルチニブの研究開発を推進することで、そのレガシーを継続していく。

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