小野薬品は11日、ハーバード大学(米国マサチューセッツ州ケンブリッジ)と、新規創薬標的の検証を目指した5年間の包括的研究提携契約を締結したと発表した。
今回の提携では、小野薬品のオープンイノベーション推進の一環として、ハーバード大学の技術開発部門であるOffice of Technology Development(OTD)と協働し、同社の重点研究領域であるがん、免疫、神経およびスペシャリティ領域でアンメットメディカルニーズの高い疾患を中心に、ハーバード大学に所属する研究ラボから新規創薬標的分子の検証に至る研究テーマを募集する。
小野薬品は、その中からハーバード大学と共同で研究テーマを採択し、採択された研究テーマについてその研究費を負担する。同社およびハーバード大学は両者の専門技術、創薬ノウハウや知見を活用しながら、共同研究を推進する。
小野薬品は、がん、免疫、神経およびスペシャリティ領域を創薬の重点領域として、アンメットメディカルニーズを満たす革新的な医薬品の創製に取り組んでいる。同社は、「オープンイノベーション」を積極的に推進することにより、多くの革新的な医薬品を創出してきた。今後も、オープンイノベーションによる独自の創薬アプローチをベースにグローバルスペシャリティファーマを目指して、革新的な医薬品の創製に取り組んでいく。
◆滝野十一小野薬品取締役専務執行役員 研究本部長のコメント
今回のような戦略的提携を通じて、最先端の技術を開発し、研究を推進するハーバード大学と協働できることをうれしく思う。ハーバード大学との提携により、お互いの強みを補完し、革新的な医薬品の創製に繋がる新規治療標的の検証を加速していく。
我々は、アンメットニーズを抱える患者さんに革新的な医薬品をお届けできるよう、今後も取り組んいく。
◆Vivian Berlinハーバード大学、OTDエグゼクティブディレクターのコメント 今回の小野薬品との研究提携は、今日、最も深刻な健康課題に対する理解を深め、その治療を推進するという大学のコミットメントに基づいている。
この研究提携において、複雑な疾患の理解がより一層深められ、より効果的な治療法が見つけられるよう研究プロジェクトを支援していく。
◆Isaac Kohlbergハーバード大学の上級副学長兼最高技術開発責任者のコメント
「企業との戦略的な提携は、産業界の力を利用して学術界にイノベーションをもたらすものと考えている。今回のような提携は、単に画期的な発見を具体的な製品に変えるスピードを加速させるだけでなく、実社会への応用により、ハーバード大学の研究をさらに強化する。