提携パートナーが上市に成功した初のケース
田辺三菱製薬は27日、ALS治療薬「ラジカヴァ」の点滴静注製剤について、29日に筋萎縮性側索硬化症(ALS)を適応症にブラジルで上市すると発表した。
今回の上市は、ブラジルにおける同剤のライセンス先である第一三共の現地子会社が実施するもの。田辺三菱製薬は、第一三共と2019年にブラジルにおけるライセンス契約を締結しており、ブラジルは田辺三菱製薬が同剤を導出した国・地域における最初の上市国となる。
ALSは、運動神経が選択的に変性・消失し、四肢、顔、呼吸筋等の全身の筋力低下と筋萎縮が進行性に起こる原因不明の神経変性疾患だ。一般的に発病率は人種や民族的背景に関連なく10万人に2人/年程度とされているが、ブラジルでは10万人に65人未満とみられている。
ラジカヴァは、2015年6月に「ALSにおける機能障害の進行抑制」を効能効果として日本で承認されたのち、韓国、米国、カナダ、スイス、インドネシア、タイやマレーシアでも承認を得ており、田辺三菱製薬の子会社を通じて販売している。
一方、今般のブラジルなど自社拠点のない国・地域においては、現地に強みのあるパートナーとのライセンス提携により、同剤を展開していく。
田辺三菱製薬では、ALSと闘う一人でも多くの世界の患者に向けてALSの治療薬として同剤を提供できるよう展開していく。