アストラゼネカは15日、同社がパートナー(法人会員)として連携するJR東海、JR西日本の東海道・山陽新幹線におけるCO2排出量実質ゼロ化サービスが本年4月よりスタートすると発表した。
国内初の同サービスは、エクスプレス予約法人会員に対して、CO2フリー電気を活用による新幹線での移動に伴うCO2排出量を実質ゼロにするもので、地球環境保全を通じた持続可能な社会の実現目的としている。
JR東海およびJR西日本は、鉄道の移動に伴うCO2排出量を減らす取組みとともに、東海道・山陽新幹線の各駅間のCO2排出量の公表等、鉄道の環境優位性の理解を促進する取組みを進めてきた。
エクスプレス予約法人会員であるアストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ医薬品企業で、人々の健康の実現には、社会と地球が健康でなくてはならないと考え、科学的根拠に基づいた環境対策を戦略的優先項目として位置付けている。
国内では社員の移動においても2019年よりCO2排出対策に取り組み、出張に伴うCO2排出量の上限を設定するCO2バジェットという考え方を取り入れている。
その中で、各社の取り組みに対する考えが一致したため、3社で連携し、同サービスのスキームを構築することになった。
同サービスの展開により、地球環境保全に関心のある顧客に、更に安心して東海道・山陽新幹線を利用する環境を整備していく。サービスの概要は次の通り。
(1)スキーム:
①JR東海・JR西日本が電力会社からCO2フリー電気を購入
②エクスプレス予約法人会員の出張利用分に対してCO2フリー電気を充当
(エクスプレス予約法人会員はCO2フリー電気購入による追加料金の支払い)
③JR東海・JR西日本がエクスプレス予約法人会員に対してCO2削減効果の証書発行
※CO2フリー電気:太陽光発電など、発電時にCO2を排出しない再生可能エネルギー電源由来の非化石証書を付与した電気
(2)開始時期 :2024年4月
(3)得られる効果:エクスプレス予約法人会員の東海道・山陽新幹線利用に伴うCO2排出(Scope3)の実質ゼロ化
※ Scope3:事業者の活動に関連する他社のCO2排出量
◆堀井 貴史アストラゼネカ代表取締役社長のコメント
気候変動は21世紀最大の公衆衛生の危機である。気候変動関連死は新型コロナウイルスによる死亡者数を超えると予想されている。この危機に立ち向かうには、社会全体で連携して大幅なCO2排出削減に取り組むことが不可欠であり、企業のより積極的な対応が必要だと考えている。本スキームがScope3削減の推進、そして企業の環境保全の新たなスタンダード確立に寄与することに期待している。