ジョンソン・エンド・ジョンソンメディカル カンパニーは9日、パルスフィールドアブレーション技術(PFA)を採用したアブレーションプラットフォーム「VARIPULSE Platform」が昨年12月22日に薬事承認されたと発表した。
PFAは、熱的影響に依存せずにアブレーションすることが期待される新テクノロジー。PFAを採用した心房細動治療製品としては、日本で初めての承認となる。心房細動の患者数は年々増加しており、国内では100万を、世界では3750万人超えると推定されている。2030年までにさらに70%の増加が見込まれている中で、医療技術の向上に対する医療従事者の期待が高まっている。
「VARIPULSE Platform」は、心房細動の根治を目指した治療、カテーテルアブレーション(経皮的カテーテル心筋焼灼術)に用いる製品群で、ソフトウェア、ジェネレータ、カテーテルで構成されている。
カテーテルアブレーション治療は、不整脈の一種である心房細動の発生に関連する心房筋細胞を細胞死させ、心拍を正常なリズムに戻すことを目的に実施する。現在、カテーテルアブレーションは、高周波通電や冷凍などの技術が採用されている。
今回承認を受けた同品は、短時間パルスで高電圧をかけることによりパルス電場を発生させ、細胞膜表面に生じさせた不可逆的な穿孔により細胞死を引き起こす熱的影響に依存しないPFAを用いているのが特徴だ。
心筋は、細胞死を起こす閾値が低いため、ターゲットとする心筋細胞のみを選択的にアブレーションし、加えて、熱に依存しない技術により食道や横隔膜などの心臓周辺臓器への損傷を抑え、合併症低減をサポートすることが期待されている。
また、本製品は不整脈治療の診断および治療のすべてのフェーズで手術をサポートする、当社の不整脈診断・治療機器システム「バイオセンスCARTO 3」専用製品として開発されており、従来通り、3次元マッピングシステムにより、立体構造である心房内を可視化しながら施術を行うことが可能である。