住友ファーマは19日、経済産業省主催の「第13回キャリア教育アワード」において、同社の道徳教育プログラム「科学技術と人の幸せ~Your Choice未来を知る~」が優秀賞(大企業の部)を受賞したと発表した。同社は、2016年の「第7回キャリア教育アワード」では奨励賞(大企業の部)を受賞している。
「キャリア教育アワード」は、経済産業省が2010年に創設した産業界によるキャリア教育の取組とその効果を広く社会で共有し、こうした取組の奨励・普及・促進を目的として、優れたキャリア教育の取組を行う企業・団体等を表彰する制度だ。
昨今、DX(デジタルトランスフォーメーション)や GX(グリーントランスフォーメーション)等に伴う産業構造の変化により、我が国の人材に求められる職務遂行能力が高度化していく傾向にある中、職業人としての資質や能力の向上、働くことへの関心・意欲の高揚、学習意欲の向上を目的としたキャリア教育を将来の我が国を支える子ども・若者に対して早期の段階から行うことの重要性が高まっている。
住友ファーマは、同社グループの理念である「人々の健康で豊かな生活のために、研究開発を基盤とした新たな価値の創造により、広く社会に貢献する」に合致した社会貢献活動の一環として、中学校や高校で同社社員が企業講師となる「出張授業」に取り組んでいる。
同プログラムは、高校生を対象に生命・倫理に関する「正解のない問い」を扱い、自己・他者理解を促すワークを組み込んだアクティブ・ラーニング型キャリア教育プログラムで、住友ファーマが目指す「人々の健康で豊かな生活」の実現に向け、さまざまな立場の方への「社会の思いやり」を育むため 2011年に次世代育成支援活動として開始した。
製薬企業ならではのプログラム内容および同社社員を講師とする体制を軸に、時代のニーズや学校の要望に応じて改善を重ね、13 年継続している。
今後も住友ファーマは、未来を担う子どもたちの科学への興味・関心を喚起し、キャリアをサポートすることを通じて、持続可能な社会の実現に貢献していく。「科学技術と人の幸せ~Your Choice未来を知る~」のプログラム内容および受賞理由は、次の通り。
【プログラム内容】
全ゲノム解析のメリットとリスクを題材に、ワークで「自身の考えを持つ」「異なる考えを知る」「自身の考えを深める」というステップを踏むことで、「正解のない問いに自身の意見を持つ」思考力、「異なる立場や感情への想像と共感、また自分の考えをふりかえり深まる」自己・他者理解、の育成を行う。
また、映像教材やメタ認知を促すワークシート、ふりかえり資料など、学習効果を高める教材の工夫も行っている。
【主な受賞理由】
健康をつかさどる製薬会社ならではのキャリア教育を創出するというスタンスは、企業の矜持を感じるもので、健やかさと思いやりという言葉には説得力がある。生命・倫理への正解のない問いを考える思考力や、自己と他者の理解を深めていくことは、社会人としてとても重要である。長く続けるため学校側・企業側の双方にメリットのあるWin-Winの関係構築を行ってきたことが、13年間という期間の継続につながっている。