小野薬品は19日、米国EVQLV社と複数の標的に対する抗体創製を目的とした創薬提携契約を締結したと発表した。
同契約に基づき、EVQLV社は独自の人工知能(AI)による抗体の設計技術であるAI-powered Antibody Design Engineを活用して、複数の創薬標的に対する候補抗体の配列情報を生成する。小野薬品は、同提携において設計された抗体配列に基づき、抗体医薬品候補の創製、開発および商業化に取り組み、研究期間中における研究資金ならびに研究プロセスの進捗に応じたマイルストンをEVQLV社に支払う。
また、小野薬品は、創製した抗体医薬品候補を全世界で独占的に開発・商業化するオプション権を保有する。
◆滝野十一小野薬品取締役専務執行役員研究本部長のコメント
我々、未だ満たされていない医療ニーズに応えるため、抗体医薬品を含め、バイオ医薬品の創製に積極的に取り組んでいる。今回、独自のAIによる革新的な抗体の設計技術を有するEVQLV社と協働できることをうれしく思う。
EVQLV社の技術の活用により、より迅速かつ効率的に新規抗体医薬品候補の創製を可能にするものと期待している。今回の提携を通じて、私たちが目指す抗体医薬品の創製を加速し、患者さんにとって革新的な医薬品を一日も早くお届けできるよう取り組んでいく。
◆Andrew Satz EVQLV社最高事業責任者兼共同設立者のコメント
小野薬品は、独自の創薬標的を見出し、患者さんの人生を変える治療薬を開発し、世界中の多くの患者さんに届けている。
我々は、研究者が容易にAI技術を創薬に活用できるようにし、創薬の成功確率を向上させることを使命としている。我々のAIによる抗体の設計技術で生成された抗体配列を活用し、患者さんに画期的な抗体医薬品の治療選択肢を提供する小野薬品の研究開発担当者と協働できることを光栄に思う。