エーザイとMSDは11日、「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法について、進行または再発子宮内膜がんの一次治療を対象としたP3試験(LEAP-001試験)において全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)の主要評価項目が未達であったと発表した。
LEAP-001試験は、ミスマッチ修復機能(mismatch repair proficient: pMMR)を有する/高頻度マイクロサテライト不安定性(microsatellite instability-high: MSI-H)を有さない、またはミスマッチ修復機構欠損(mismatch repair deficient: dMMR)を有する/MSI-Hを有する進行または再発子宮内膜がんの一次治療として「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法を評価P3試験である。
同試験の最終解析において、同併用療法は、標準治療であるプラチナ製剤をベースとした2剤併用化学療法(カルボプラチンとパクリタキセルの併用療法)と比較して、OSとPFSについて本試験の事前に設定した統計学的な閾値を満たす改善を示さなかった。なお、同併用療法の安全性プロファイルは、これまでに報告されているものと同様であった。
両社は同試験のすべての評価を完了し、その結果を治験責任医師と協力してサイエンティフィックコミュニティに共有していく。
同併用療法は、日米欧をはじめとする世界各国において、治療ラインに関わらない全身療法後の進行子宮内膜がん(日本においては子宮体がん)、および進行腎細胞がんに係る適応で承認を取得している。
両社は、LEAP(LEnvatinib And Pembrolizumab)臨床プログラムを通じて、本併用療法の肝細胞がん、腎細胞がん、頭頸部がん、胃がん、食道がんを含む様々ながん種における複数の臨床試験を実施中。
今回のLEAP-001試験の結果は、「レンビマ」と「キイトルーダ」の併用療法の現在承認されている適応症、ならびに他の進行中のLEAP臨床プログラムの試験に影響を与えるものではない。
◆Gregory LubinieckiMSD研究開発本部グローバル臨床開発バイスプレジデント(博士)のコメント
我々は、キイトルーダとレンビマの併用療法を、新しい治療選択肢として、新たに進行または再発子宮内膜がんと診断された患者さんにお届けすることを目指してきたが、LEAP-001試験において本併用療法の主要評価項目を達成できなかったことを残念に思う。
当社は、引き続き、KEYNOTE-775試験/309試験の結果に基づき実証済みの、治療歴のある進行子宮内膜がん患者さんの治療におけるキイトルーダとレンビマのベネフィットは確固たるものであると考えており、他の治療困難ながん患者さんにおける本併用療法の研究を継続していく。
◆Corina Dutcusエーザイシニアバイスプレジデント、オンコロジーグローバル臨床開発リード(M.D.)のコメント
LEAP-001試験の結果は、進行または再発子宮内膜がんにおける新たな一次治療法開発の難しさを示すものだ。我々は、引き続き、レンビマとキイトルーダの併用療法の臨床開発プログラムに自信をもっている。
また、本併用療法が、全身療法後に増悪した進行または再発子宮内膜がん患者様の標準的な治療選択肢となっていることに誇りを持っており、引き続きこれらの患者さんに貢献していく。